第1回合同調整会議(JCC)を開催しました

2019年7月26日

専門家の現地着任から約1か月後の7月26日に、プロジェクトの具体的な方向性に関し関係者間の合意形成を図るため「第1回合同調整会議(Joint Coordinating Committee:JCC)」を開催しました。南半球のマラウイはちょうど冬季にあたり、朝方には10℃を下回る肌寒く乾燥した気候での開催となりましたが、会議にはLWBを管轄する農業・灌漑・水開発省のほか、大統領府、財務省などの中央政府、全国の水道事業体を支援するマラウイ水道協会(WASAMA)、またリロングウェ以外の地方都市の給水を担当している4つの水道事業体など32名の関係者に参加頂き議論を交しました。

開催の挨拶では、JCCの議長を務めるLWB(リロングウェ水公社)のCEOより、プロジェクトを通して変化を受け入れる必要性と、特に中間管理職がこの機会を活用し価値を生み出していくことの重要性が述べられました。続いて、副議長であるJICAマラウイ事務所長からの挨拶には、このJCCにおいて議論する計画がプロジェクトを結果志向に導くものと信じていること、また133年の水道事業の経験を持つ横浜市水道局から本プロジェクトへの支援が約束されていることが説明されました。

「技術協力プロジェクト」とはどのようなスキームであるか、および本プロジェクトの概要説明に関しては長期専門家より説明が実施されましたが、引き続く成果毎の活動内容についての説明は、カウンターパートに任せることとなりました。キーとなるカウンターパートの無収水削減にかかる理解がスタート時点において高かったこと(JICA課題別研修などへの参加経験者であることが大きな要因かと思います)、本プロジェクトに対して非常に意欲的であること、またオーナーシップの醸成を期待する側面もありこのような形が取られました。JCCに先立つ7月17日には、キックオフミーティングをLWBカウンターパートや関係機関を招待して実施(29名が参加)しており、内部的な合意形成が済んでいたこともカウンターパートに任せることになった要素でした。なおJCCにおける説明用資料は、キックオフミーティング後の数日間かけ、LWBのカウンターパート、JICA専門家側と協働で作成しています。

また、会議における質疑応答も活発に行われました。特にWASAMAや地方都市の水道事業体からの関心が非常に高く、WASAMAからはLWBだけでなく他の事業体への技術の普及へも寄与してほしいといったコメントや、本プロジェクトによるナレッジシェアがいつ・どのように行われるかといった声があり、全国において無収水削減が大きな課題となっていることや、本プロジェクトに対する期待の高さが伺えました。コメントや質問に対する回答においても、カウンターパート側による積極的で的確な回答が行われたこともあり、LWBの無収水削減に対する理解の深さを感じています。

このような調整と努力の甲斐もあり、最終的にはJCCにおいてワークプラン(プロジェクト実施に係る全体構成と実施計画書)に関して大きな指摘もなく合意を得ることができました。今後、この合意されたワークプランをベースとして、具体的な活動が開始されることになります。

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JCC議長(LWB-CEO)による開催挨拶

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JICA専門家(チーフアドバイザー)による概要説明

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カウンターパートによる成果1の活動説明

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カウンターパートによる成果2の活動説明

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カウンターパートによる成果3の活動説明