第2回アフリカ水道事業体域内協力(WURP)ワークショップを開催しました

2019年9月26日

2019年9月24~26日

プロジェクト開始から約3か月後の9月24~26日の3日間、第2回WURPワークショップが開催されました。本プロジェクトでは成果の一つに「無収水(NRW)対策に係る知見の発信」があり、今回のワークショップはその活動の一環となります。

第1回WURPは2018年11月にルワンダのキガリ市で開催され、そこでの結果・計画に基づき、3つの参加事業体(ルワンダ水衛生公社(WASAC)、リロングウェ水公社(LWB)、ケニアのエンブ上下水道会社(EWASCO))が日々行ったNRW対策結果を持ち寄る場となったのが、第2回です。日々の活動はもちろんのこと、TV会議を利用した進捗報告やワークショップの司会含めC/P主導で行われました。専門家が脇役に徹した点は本活動の特徴です。

第1回ワークショップの盛り上がりを受け継ぐ流れとなった第2回をどのように進めるか、ホスト役のLWB、そして国内水道事業体を取りまとめるマラウイ水道協会(WASAMA)や関係機関等とも協調し協議を積み重ねた結果、3つの事業体に加えて、マラウイ国内から4つの水道事業体(ブランタイヤ水公社、北部地域水公社、中部地域水公社、南部地域水公社)も招待しようということになりました。併せて、チーフアドバイザーの派遣元である横浜市水道局からも参加が決定、豪華な顔ぶれがマラウイで一堂に会するワークショップとなりました。このようなこともあり、ホスト役であるLWBは総力を挙げて受入体制を準備しました。

まずワークショップ会場です。通常はこのような大きなワークショップでは、ホテル会場を利用しますが、今回はLWBのCEO(当時)の号令一下、完成間近であったLWB新棟内の会議室で行うことになりましたが、その結果、外部会場であれば必要のなかった様々な準備、例えば会場案内や昼食会場手配等が発生しました。そのため、LWBは内部職員による準備チームを編成し、前日まで会場準備作業が続きました。加えて、新棟の内装工事が予定通りに進まず、LWB、専門家チームとも最後までハラハラしました。会場となる会議室の内装が完了し、ワークショップで不可欠なプロジェクターが天井に設置されたのは、本番前日でした。

そのような状況でしたが、本番では受入含め、質の高いワークショップが開催できました。まず横浜市水道局の参加によるものです。長い経験を持つ日本の水道事業体も今なお彼らと同じような課題を抱えており、発表を聞いた参加者は日々の課題の解決に取り組む姿勢を持ち続けることの重要性を、あらためて認識していました。

ブランタイヤ市水道公社による発表では、これまでに横浜市水道局が実施した短期ボランティア派遣を通じて学んだ、住民に対する環境教育が好事例として紹介され、マラウイ国内ではまだ取り組みの進んでいない住民啓発の重要性が、他の事業体とも共有されました。また本プロジェクトのみならず、横浜市水道局がマラウイの水道事業体に広く貢献していることも参加者に伝わりました。

一方、これまでWURPへオブザーバーとして参加していたEWASCOからは、今後正式にメンバーとして参加することや、次回のWURPワークショップはケニアで開催する旨の声明があったことは、WASACやLWBにとって大きな成果でした。今後の域内協力の活動実施体制が着実に構築されつつあります。

このような海外からの取り組み事例紹介もあり、ワークショップでは活発な質問・協議が行われ、特にマラウイ国内の他の事業体からは多くの質問・コメントがありました。マラウイ国内の地域水道公社は、小規模の水道スキームを地域別に統括する存在ですが、ワークショップでの協議ではレベルの高い質疑やコメントがあり、しっかりした印象を受ける一方、NRW対策は参加者全員の共通の課題であること、これまでこのような学びあいの場が少なかったことも改めて認識されました。域内協力活動としての舞台はこれからケニアに移りますが、LWBからは今後もマラウイ国内ワークショップを引き続き開催し、学びあいの場を継続していく旨の発表があり、多くの賛同を得られました。

このように、参加者及びホストであるLWBの活躍と努力により、第2回WURPワークショップは、成功裏に実施できました。その後のフィードバック調査においても、参加者から高い評価結果を得ています。内容の質が評価されたと言えますが、その背景にあるものは、WURPワークショップの準備活動を通じて示したLWBの組織力の高さの一面が評価されたとも言えます。

本プロジェクトの活動テーマであるNRW対策は、水道事業体全体で取り組むべき大きな課題であり、事業体の組織力、チーム力が問われます。LWBの今後の更なる技術レベルの向上、そして組織力の向上を、本プロジェクトは今後も支援します。

なお、マラウイで行われた第2回WURPワークショップの詳細は、以下をご参照ください。

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横浜市水道局のプレゼンテーション

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LWB本部内カスタマーセンター視察