第1回本邦研修を実施しました

2019年10月31日

2019年10月22~31日

リロングウェ市無収水対策能力強化プロジェクト(LiSCaP)では、プロジェクト実施期間中に計3回の本邦研修の実施を予定していますが、この第1回目の本邦研修を2019年10月22日から10日間の日程で開催しました。第1回目は「幹部研修」と題し、リロングェ市水公社(LWB)から部長級2名、課長級3名の計5名が研修員として参加しました。研修員一行は、即位礼正殿の儀が行われた日に成田空港に到着し、また、我がJAPANの活躍が目まぐるしかったラグビーワールドカップで盛り上がっていた横浜市内のJICA横浜センターが研修の拠点となりました。

研修初日、研修員はLiSCaPにチーフアドバイザー(長期専門家)を派遣している横浜市水道局を訪れました。局長への表敬訪問は短い時間となりましたが、両組織の幹部同士、実のある意見交換を図ることができました(写真1)。翌日には、日本の上水道を管轄する厚生労働省を、また、産官学による水道事業の向上を目指す公益社団法人日本水道協会を訪問し、各々の役割や水道事業体との連携、これからの発展に向けた施策等について、丁寧な講義を受講するとともに活発な意見交換がおこなわれました(写真2・3)。

その後、横浜市水道局が実際に実施している施策(無収水対策、配水管理、メータ管理、財務経営、顧客対応、給停水・料金徴収、広報・啓発、人材育成)に関して幅広い講義や、また、水道局の管路研修施設を活用した漏水調査、給水管取出し穿孔作業、水道メータ器差(エラー)試験、配水管網模型弁操作に関して見学、体験してもらいました (写真4~6)。

10月25日には、横浜水ビジネス協議会会員企業からマラウイ国に役立つ自社製品等のプレゼンテーションをしていただきましたが、このセッションは研修員の関心度が非常に高く、今後のビジネスマッチングの機会になることが望まれます。

今回の研修では横浜市が実施している「『アフリカとの一校一国』~子どもたちがアフリカ各国と交流します!」を活用させていただきました。研修員がマラウイ国を担当する小学校を訪問し、全校集会において児童の皆さんへマラウイ国ならびに当地の水道事情を紹介してもらいました。児童の皆さんからは、英語による感想スピーチがあり、研修員らは大変感動していました。また、給食時間には、研修員らが5・6年生の各クラスに分かれ、児童の皆さんと一緒に給食体験をしてもらいました。給食中には、既に英語の授業を受けている児童から、英語での質問が投げかけられるなど楽しい会話が交わされていました(写真7)。

研修最終日には本邦研修の評価会を行いました。短い期間ではありましたが多くの講義を設けたこともあり、研修員からは、多くの日本のノウハウやスキルを知ることでき、また、いくつかのヒントを得ることができたとのコメントが発せられました。この本邦研修を通じて、研修員が帰国後に実施するLWB業務の幅と深みが増すことを期待するとともに。今回得た経験や知識をLWB内部で拡散し、LWB全体の質の向上に役立たせてもらいたいと思っています(写真8)。

本研修の講師の方々、また研修開催をご支援いただきました皆様には、この場を借りて感謝申し上げます。ありがとうございました。

【画像】横浜市水道局長表敬訪問@横浜市水道局本庁舎(写真1)

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講義風景@厚生労働省(写真2)

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日本水道協会(写真3)

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横浜市水道局(写真4)

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管路研修施設での実習@横浜市水道局(写真5)

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管路模型での水運用実習@JICA横浜センター(写真6)

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一校一国運動@横浜市立小学校(写真7)

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評価会・閉講式@JICA横浜センター(写真8)