プロジェクト概要

プロジェクト名

(日)自動車産業基盤強化プロジェクト
(英)Project for Automotive Supply Chain Development in Mexico

対象国名

メキシコ合衆国

署名日(実施合意)

2012年6月5日

プロジェクトサイト

メキシコ全土、主にグアナファト州、ヌエボレオン州、ケレタロ州及びメキシコ・シティー

協力期間

2012年10月25日から2015年12月1日

相手国機関名

(日)ケレタロ州政府、グアナファト州政府、ヌエボレオン州政府、メキシコ貿易投資促進機関(ProMexico)
(英)State Governments of Queretaro, Guanajuato and Nuevo Leon, ProMexico
(西)Gobiernos de los Estados de Queretaro, Guanajuato y Nuevo Leon, ProMexico

背景

メキシコは北米・南米市場へのアクセスという地理的優位性や、比較的優良且つ低コストの労働力及び世界各国との自由貿易協定(FTA)ネットワークを有しており、自動車生産拠点としての重要性は近年益々高まっている。メキシコは2011年に自動車生産台数で世界第8位(256万台/年)、輸出量では世界第5位であり、我が国の自動車メーカー(日産、ホンダ、トヨタ、日野、いすゞ)がメキシコ内に生産工場を有している。2011年に入り、マツダがメキシコ進出を決定した他、他の日系自動車メーカーも北米市場のみならず、メキシコ市場及び南米ブラジル市場向けの生産拠点としての拡大を決定し、これに併せて日系部品企業のメキシコ進出が急ピッチで進行している。
他方、これら日系自動車メーカーは生産の効率化とコスト削減の観点から現地調達率の向上が迫られているが、メキシコ自動車部品産業におけるメキシコ企業の割合は30%未満であり、また同企業は品質・コスト・納期の点で日系企業の要求を十分に満たすことができず、材料や部品の大半が我が国若しくは第三国からの輸入となりコスト削減が進まない状況に直面している。こうした状況下、日系企業各社は自助努力でメキシコ国内のポテンシャルサプライヤーの発掘・指導を行い始めているが、1)情報不足、2)現地企業を知る機会が十分にない、3)現地企業は日系企業や日本の生産システムに対する理解が不足しており文化的ギャップも大きい等の理由で、十分な現地調達化が進まず苦慮している。また、メキシコの各州政府は、州内における産業開発を担っているが、新規投資の促進や現地企業とのビジネスマッチング等に関する企業の要望に迅速且つ適切に応える能力が不足している 。

このような背景から、自動車産業の基盤強化を州政府及び民間企業が連携して持続的に推進する仕組みを確立させることを目的として、「メ」国州政府(グアナファト州、ヌエボレオン州、ケレタロ州)は我が国に対し技術協力を要請し、2012年度新規案件として「自動車産業基盤強化プロジェクト」(以下、「本プロジェクト」)が採択された。上記の要請を踏まえ、JICAは2012年4月から詳細計画策定調査を実施し、本プロジェクトの協力内容に関して、州政府及びメキシコ貿易投資促進機関(以下、「ProMexico」)との間で合意し、これに基づき、2012年6月に本プロジェクト実施に係る討議議事録(R/D)の署名・交換を行った。

目標

上位目標:

メキシコの自動車サプライチェーンが強化される。

プロジェクト目標:

対象州における日系自動車部品サプライヤー(Tier-1)とメキシコ自動車部品サプライヤー(Tier-2)とのサプライチェーンを促進する制度が強化される。

成果

  1. メキシコ自動車部品サプライヤー(Tier-2)が円滑に日系自動車部品サプライヤー(Tier-1)に推薦される。
  2. メキシコ自動車部品サプライヤー(Tier-2)が日系の自動車サプライチェーンに参加できる十分な競争力を持つ。
  3. モデルとなったメキシコ自動車部品サプライヤー(Tier-2)が日本のビジネス慣行への理解を深める。
  4. 日系自動車部品サプライヤー(Tier-1)とメキシコ自動車部品サプライヤー(Tier-2)の商談機会が増加する。

活動

1-1
モデル日系自動車部品サプライヤー(Tier-1) のニーズを調査する。
1-2
3州政府及びProMexicoが所有するサプライヤー・データベースの見直しを行う。
1-3
モデル日系自動車部品サプライヤー(Tier-1)のニーズに対応できるメキシコ自動車部品サプライヤー(Tier-2)を選定する。
1-4
メキシコ自動車部品サプライヤー(Tier-2)を訪問し、技術・生産能力を評価する。
1-5
評価を通して得られた情報をサプライヤー・データベースに追加する。
1-6
サプライヤー・データベースへの適切なアクセス手順を確立する。
1-7
データベースの試行的な活用を開始する。
1-8
日系自動車部品サプライヤー(Tier-1)からのフィードバックに応じ、データベースの改善を行う。
2-1
モデル日系自動車部品サプライヤー(Tier-1)と協議し、選ばれたメキシコ自動車部品サプライヤー(Tier-2)への改善計画の策定を行う。
2-2
改善計画を実施する体制が、モデル日系自動車部品サプライヤー(Tier-1)、メキシコ自動車部品サプライヤー(Tier-2)、州政府及び州内の技術支援機関により、構築される。
2-3
改善計画を実施する。
2-4
改善計画の実施結果を評価し、モデル日系自動車部品サプライライヤー(Tier-1)、州政府との協議の下に計画の見直しを図る。
3-1
日本のビジネス慣行と生産システムに関するセミナーを実施する。
3-2
日本のビジネス慣行、生産管理、生産技術及び自動車産業政策・能力開発に係る本邦研修の計画・実施・評価を行う。
4-1
商談に係る会合・セミナーを計画・実施・評価する。
4-2
商談結果に関する成果普及セミナーを実施する。

投入

日本側投入:

  • 長期専門家(3名):チーフアドバイザー、自動車産業政策及び業務調整員(各36MM)
  • 短期専門家:サプライヤーのニーズに応じ、経済産業省(METI)、日本自動車工業会(JAMA)及び日本自動車部品工業会(JAPIA)の調整の下に、主に次の分野を中心に派遣する。
  • 生産管理、鋳造、冷間鍛造、鋳造、表面処理、ダイカスト及びマシニング
  • 業務実施契約専門家(92MM):以下分野を含めた専門家の派遣
  • 官民連携制度構築、データベース構築支援、現場改善指導、プレス加工、プラスチック射出成形、金型保全、インパクト調査
  • 本邦研修員受入れ(15名×2週間×6回):研修科目は、日本のビジネス慣行、生産管理、生産技術及び自動車産業政策・能力開発
  • 機材供与:プロジェクト公用車(3台)及び事務用機器
  • プロジェクト活動経費(通訳ほか)

相手国側投入:

  • グアナファト州政府:プロジェクトダイレクター(経済開発次官)、プロジェクトマネージャー(自動車サプライチェーン部長)、担当(自動車サプライチェーン部及び自動車部品部)
  • ヌエボレオン州政府:プロジェクトダイレクター(投資・産業開発次官)、プロジェクトマネージャー(産業開発・競争力強化部長)、担当(産業開発・競争力強化部及び自動車クラスター協会)
  • ケレタロ州政府:プロジェクトダイレクター(持続的開発次官)、プロジェクトマネージャー(事業開発部長)、担当(事業開発部及びサプライヤー開発部)
  • ProMexico:プロジェクト・ファシリテーター(国際関係本部長)、プロジェクトコーディネーター(輸出プロジェクト本部長)、担当(輸出プロジェクト・ユニット職員)
  • 施設・機器:日本人専門家用オフィススペース及びオフィス機器、セミナー会場の提供
  • ローカルコスト:プロジェクト運営に必要な予算