プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)自動車産業人材育成プロジェクト
(英)The Project for Human Resource Development for the Automotive Industry in El Bajio of Mexico

対象国名

メキシコ

署名日(実施合意)

2015年5月28日

プロジェクトサイト

アグアスカリエンテス州、グアナファト州、ケレタロ州及びメキシコ州

協力期間

2015年9月21日から2020年8月20日

相手国機関名

(和)国立職業技術高校(CONALEP)、アグアスカリエンテス州政府、グアナファト州政府、ケレタロ州政府
(英)CONALEP, Gov. of the State of Aguascalientes, Guanajuato and Queretaro

背景

メキシコは北米・南米市場へのアクセス、比較的優良且つ低コストの労働力及び世界各国との自由貿易協定(FTA)ネットワークを有しており、自動車生産拠点としての重要性が近年益々高まっている。2013年の自動車生産台数は293万台(世界第8位)、輸出数は242万台(世界第4位)に達した。今後も生産拡大が期待されており、メキシコ自動車産業界の予測では2019年には生産台数が430万台規模に拡大するとしている。我が国の自動車メーカー(日産、ホンダ、マツダ、トヨタ、日野自動車、いすゞ)がメキシコ内に生産工場を有し、北米市場をメインターゲットにメキシコ国内市場及びブラジル等南米市場向けもあわせた生産拠点として事業を拡大している。特に近年はバヒオ地域(注1)と呼ばれる中央高原諸州への投資が集中しており、2013~4年には日産(アグアスカリエンテス州)、ホンダ、マツダ(いずれもグアナファト州)が新工場の操業を開始し、これに合わせて日系部品メーカーの進出も拡大しており、集積が進んでいる。

日系企業が現地で事業を行うためには、日系企業の生産現場で活躍できる技術者や技能者の確保が必要であるが、現地の産業人材の教育・訓練機関が輩出する人材は日系企業が求める水準に達していない状況にあり、カリキュラムや教育内容を改善する必要性が指摘されている。特に比較的人材需要の大きい工業高校卒業資格を持つテクニシャンレベルの育成において、日系企業のものづくりの考え方を理解し、将来的に製造現場の中心的な役割を担っていくことが期待できる素養・技能を習得した人材が求められている。

国立職業技術高校(CONALEP:Colegio Nacional de Educación Profesional Técnica)は公共教育省傘下の高校レベルの技術教育を提供する独立行政法人である。全国310校において47の技術教育コースを提供している。アグアスカリエンテス州、グアナファト州、ケレタロ州においては27校が産業界への人材を供給している。テクニシャンレベルの技術教育機関として一定の評価を得ている

これら3州では最近の自動車産業の集積を背景に自動車関連業界からの人材需要が今後更に需要が拡大していくと考えられ、各州政府とCONALEPはかかる状況を踏まえ、より自動車産業のニーズに対応するために、これら3州において4校をモデル校として、産業界との連携を強化し、産業界のニーズを反映したカリキュラムの開発、教員養成、企業実習の拡大等により、新たに「自動車製造コース」を開設して、自動車産業の求める素養と技能を備えた人材育成を行う計画である。

(注1)バヒオ地域とはアグアスカリエンテス州、グアナファト州、ケレタロ州、ハリスコ州(一部のみ)を指す。

目標

上位目標

対象3州(注2)において日系企業を含む自動車産業の人材ニーズに対応した技能者(テクニシャンレベル)(注3)が輩出される

(注2)アグアスカリエンテス州、グアナファト州、ケレタロ州を指す。
(注3)工業高校卒業資格(Professional Technical Bachelor)を有する卒業生を指す。

プロジェクト目標

モデル技術高校において、日系企業を含む自動車産業の人材ニーズに対応した技能者が育成され、その教育改善手法を対象州内へ拡大する計画が策定される。

成果

成果1:モデル校においてプロジェクトの実施体制が構築される。
成果2:既存コースで実施する自動車産業向けテクニカルトラック(選択科目)(注4)及び新たに開設する自動車製造コースのカリキュラムが作成される。
成果3:自動車製造コースを指導する教員を育成するコア教員の能力が強化される。
成果4:モデル校でテクニカルトラック及び自動車製造コース(パイロットコース)が実施される。
成果5:モデル校と自動車産業の連携が強化され、その経験が対象3州内で共有される。

(注4)3年間の高校卒業資格コースの2年次及び3年次に履修する選択科目のことを指す。

活動

成果1
1-1. 対象州における産学官連携に係る実践の現状を共有する。
1-2. モデル校の連携委員会において自動車産業部会を形成する。
1-3. コア教員を選定し、モデル校に配置する。
1-4. 対象州及びモデル校の連携委員会での活動計画を作成する。
1-5. 活動計画を関係者間に共有し、各機関の役割、スケジュールを確認する。

成果2
2-1. カリキュラム検討委員会を組成する。
2-2. 自動車関連企業に対するニーズアセスメントを実施する。
2-3. 現在の関連科目のカリキュラム、指導案、教材、評価ツールをレビューする。
2-4. 企業ニーズアセスメントの結果に基づき、協力企業と職業能力基準を確定する。
2-5. 職業能力基準に基づき、カリキュラム、指導案、教材、評価ツールを策定する。
2-6. カリキュラム指導案、教材、評価ツールをCONALEP中央で承認する。
2-7. 策定されたカリキュラムを協力企業とともに評価する。
2-8. 評価結果に基づき、カリキュラム、指導案、教材、評価ツールを改訂する。

成果3
3-1. コア教員の研修計画を策定する。
3-2. 日本人専門家により研修計画に沿ってコア教員に対する講義・実習研修を行う。
3-3. コア教員の習熟度を評価する。

成果4
4-1. コア教員により、モデル校の他教員へ自動車製造コースを指導するための技術指導を実施する。
4-2. モデル校での自動車製造コース実施に必要な実習機材を整備する。
4-3. コア教員及び他教員により、自動車製造コースを段階的に運営する。
4-4. 自動車関連企業への工場見学、企業実習、モニタリング計画を策定する。
4-5. 計画に基づき、工場見学、企業実習、モニタリングを実施する。
4-6. 実施されたコースの評価、分析を行う。

成果5
5-1. 自動車関連企業への工場見学、企業実習先を拡大する。
5-2. 連携委員会による就職支援活動(ジョブフェア、学生データベース提供)を実施する。
5-3. 州、モデル校での連携委員会による実践を活動報告書に取りまとめる。
5-4. 作成された報告書を対象州内の他のCONALEP及び教育機関へ共有する。
5-5. コア教員による対象州内の他のCONALEP及び教育機関の教員への技術指導計画を策定する。
5-6. 自動車製造コースの普及マテリアル(DVD、マニュアル)を作成する。
5-7. 作成されたマテリアルを対象州内の他のCONALEP及び教育機関に配布する。

投入

日本側投入

1)専門家派遣(総括/自動車産業技術教育、自動車産業連携、5S・カイゼン、品質管理、製造技術、カリキュラム開発、コース開設、業務調整)
2)本邦研修(日本型ものづくり、品質管理/生産管理、産学官連携等)
3)供与機材(自動車製造コースの実施に必要となる基礎機材)

相手国側投入

1)カウンターパートの配置
2)専門家の執務室
3)プロジェクト活動に必要な経費(機材等の運用・交換に関する費用、C/Pの交通費等)
4)その他プロジェクト実施に関する費用