プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)子どもの発達を支援する指導法改善プロジェクト フェーズ2
(英)Project for Strengthening Systems for Improving and Disseminating Child-CenteredTeaching Methods

対象国名

モンゴル

プロジェクトサイト

ウランバートル市、ザブハン県、ブルガン県

署名日(実施合意)

2009年12月8日

協力期間

2010年3月1日から2013年8月31日

相手国機関名

(和)教育科学省
(英)Ministry of Education, Culture and Science

概要

モンゴルでは、従来から暗記中心の教授法により授業が行われているという課題を抱えてきた。この課題に対してモンゴル政府は、2005年9月に新教育スタンダード(国レベルのカリキュラム、日本の学習指導要領に当たる)を制定し、その中で、子どもの発想や思考を促すような「子どもの発達を支援する指導法」(以下、新指導法)への転換を掲げた。しかしながら、現場の教員にとっては、当該スタンダードは学術的過ぎる内容のため理解が困難であったり従来の暗記中心の教授法に慣れてしまっており授業方法の変更に対応できない、という問題が見られていた。

こうした状況のもと、2006年〜2009年にJICAは「子どもの発達を支援する指導法改善プロジェクト」を実施し、新教育スタンダードに対応した教員向け指導書(8科目1)と指導書作成マニュアル、及び授業モニタリングマニュアルを開発した。当該指導書は、モンゴル国教育文化科学省から高い評価を受け、指導書の普及を後押しする大臣令等も発出され、全国の学校に配布された。さらに、今後は、現場の教員が新指導法を正しく理解し、実践していくための取り組みを行っていくことが求められている。

本プロジェクトでは、新指導法普及の担い手となる各市/県教育局の指導主事、各市/県の学校管理職員及び教員の代表者等の能力強化(成果1)を通じて、各市/県教育局が既存の現職教員研修等の枠組みを活用することにより、現職教員に対して新指導法を普及していく体制を強化することを目指す(プロジェクト目標)。各県関係者の能力強化のための研修実施に先立ち、モデル市/県において研修を試行し、その結果を研修材料に反映させる(成果3)。また、新指導法を教員が実践していくためには新指導法に関する研修だけではなく日常的な授業改善への取り組みが重要であることから、モンゴルの教育現場に則した「授業研究」モデルを構築し、新指導法を普及するためのツールとして活用していく(成果2)。さらに、研修ツールの教員養成校への紹介や、「授業研究」活動を制度化するための研究活動及び政策提言などを通じて、新指導法の普及環境の改善も図る(成果4)。

上位目標

モデル県及び他の県で新指導法が実施される。

プロジェクト目標

新指導法を普及する体制が強化される。

成果

成果0:国レベルのプロジェクト実施チーム(以下、「基本チーム(注1)」)が結成される。

((注1)「基本チーム」:プロジェクトの中心となり、研修パッケージの開発・改訂、モデル市/県の研修や「授業研究」のモニタリングを実施する。教育省職員、教育研究所研究員、指導法開発センターのメンバー等で構成する。)

成果1:全ての市/県の新指導法普及チーム(注2)(以下、「市/県普及チーム」)の新指導法普及能力が向上する。

((注2)「市/県チーム」:「基本チーム」からの研修を受ける市/県の代表者。各市/県の就学前教育担当を除く全指導主事、学校管理 職員代表 各市/県3名程度、教員代表 各市/県3名程度、教員養成校教官等で構成する。)

成果2:モデル市/県において「授業研究」のモデル事例が開発される。

成果3:モデル市/県の新指導法実践の能力が向上する。

成果4:新指導法の普及及び定着にむけた環境が改善される。

活動

1-1-1. 「基本チーム」が、「市/県チーム」向けに行う研修のパッケージを開発する。

1-1-2. 「基本チーム」が、活動2-3及び3-3で実施したモニタリングの結果を元に研修パッケージを改訂する。

1-1-3. 「基本チーム」が、全ての市/県の「市/県チーム」に対して、活動1-1-2で改訂したパッケージを活用して研修を行う。

1-1-4. 「基本チーム」は、全ての市/県の「市/県チーム」に対して必要に応じて技術的支援を行う。

1-2-1. モデル市/県のベースライン調査が実施される。

1-2-2. 「基本チーム」がモデル市/県において、モデル校を選定する。

1-2-3. モデル市/県が「市/県チーム」メンバーを選定する。

1-2-4. 「基本チーム」が、モデル市/県の「市/県チーム」に対して研修を実施する。

2-1. モデル市/県の「市/県チーム」が、モデル市/県における「授業研究」実施計画を策定する。

2-2. モデル市/県の「市/県チーム」が、活動2-1の計画に従って、モデル校におて「授業研究」を実施する。

2-3. 「基本チーム」が、モデル校での「授業研究」のモニタリングを行い、助言をする。

2-4. モデル校は、「基本チーム」によるモニタリング結果及び助言を、次の「授業研究」に反映させる。

3-1. モデル市/県の「市/県チーム」が、モデル校の「授業研究」観察を含めた、学校管理職及び教員向け研修計画を策定する。

3-2. モデル市/県の「市/県チーム」が、活動3-1の研修計画に従って、研修を実施する。

3-3. 「基本チーム」が、活動3-2の研修のモニタリングを行い、モデル市/県の「市/県チーム」に対して助言する。

3-4. モデル市/県の「市/県チーム」は、「基本チーム」によるモニタリング結果及び助言を、次の研修計画に反映させる。

4-1. 「基本チーム」が、活動1-1-2で改訂された研修パッケージを、国立及び私立の教員養成課程を持つ大学に紹介する。

4-2. 「基本チーム」が、日本や他国の「授業研究」にかかる調査及び2-2で実施されるモニタリング結果の分析を行う。

4-3. 「基本チーム」が、教育省に対し、学校単位での「授業研究」の定着に向けた政策提言を行う。

4-4. 教育研究所が、全国教員能力コンテストでの評価基準に、「『新指導法』を行うこと」を導入する。

投入

日本側投入

  • 専門家派遣(総括、研修計画、指導法普及、モニタリング・評価、授業研究支援/業務調整)
  • 本邦研修
  • 機材
  • 研修経費(「基本チーム」がプロジェクト活動内で実施する研修経費を負担予定)
  • 「基本チーム」によるモニタリング経費(モデル市/県向け研修およびモデル校の「授業研究」のモニタリング経費を負担予定)
  • その他必要経費

相手国投入

  • カウンターパートの配置・執務スペース(教育省)
  • 研修経費等(日本側で負担しない部分。)
  • モニタリング経費(日本側で負担しない部分。)
  • 日常的活動経費
  • その他必要経費