伊藤茂男専門家による大学カリキュラム改編

2018年12月13日

この度、本プロジェクトが来年の活動終了を迎えるにあたり、本邦から調査団が派遣され終了時評価が実施されました。同評価の結果、2015年から施行された欧州型カリキュラムが結果的に教育現場で混乱を生んでいるため、新たな改善が必要と結論づけられました。

この新たな課題を解決するため、12月9日~14日、伊藤茂男専門家が派遣されました。伊藤専門家は、日本の獣医学教育界において、「北海道大学と帯広畜産大学の共同獣医学課程」を通した教員の増員による教育の充実化や、獣医学教育の共通到達目標・教育基準となる「コア・カリキュラム」の策定など、今日の日本の獣医学教育を形成するための教育改革に取り組まれてきたまさに“カリキュラム専門家”です。

10日に実施された伊藤専門家による「獣医学カリキュラム・シラバス講義」には、モンゴル生命科学大学獣医学部の教員等約30名が参加し、カリキュラムとは何か、日本の獣医学カリキュラムはどう形成されたかなど獣医学カリキュラムに関する基本知識を学びました。同講義において伊藤専門家は、生徒数に対する教員数割合の重要性やわかりやすいシラバスの作成例などを示し、正しい改革の先には教育の質の保証があることを強調しました。

11日からは、連日4時間以上に亘る個別インタビューを学生と教員を対象に行いました。これは現場の声を通して問題や現状を吸収する大切な作業になります。伊藤専門家の「我々は日本型カリキュラムを押し付けに来たのではありません。モンゴルの現状に適した、モンゴル流に調整したカリキュラムを一緒に作っていきましょう!」という言葉に、カウンターパート達も活気づきました。

いよいよ、モンゴルの現状を細かに反映させたカリキュラム改編が始まります。今後も、モンゴル獣医学教育が動く瞬間を報告して参ります。

【画像】

講義をする伊藤専門家(左)

【画像】

獣医学カリキュラム・シラバス講義の様子