豚コレラワクチンの実証研究

2019年4月5日

2月24日~28日、北海道大学大学院獣医学研究院微生物学教室の教授である迫田義博専門家がモンゴルに来られました。迫田専門家は日本の豚コレラ研究の第一人者であり、モンゴルで製造された豚コレラワクチンの接種に関する研究の指導を行っています。迫田専門家は毎年2、3度モンゴルを訪問し活動しています。迫田専門家の熱心な取り組みに応える形でモンゴル側カウンタパート達が努力してきた結果、モンゴル政府から研究助成金を受けるなど本研究はモンゴル政府からも注目される研究の一つとなりました。

今回の実証研究の目的は、前回の研究で明らかになったモンゴルのワクチンメーカー推奨接種量と回数の不適切さを改善することです。本プロジェクトが供与した実験用子豚15匹を下記の通りグループ分けし、血液検査、血清サンプリング検査など行い研究を進めています。

第1グループ-従来のメーカー推奨量(十分な抗体が得られず豚コレラに感染してしまう)
第2グループ-メーカー推奨量2倍の量を1回で接種
第3グループ-メーカー推奨量2倍の量を2回に分けて接種

今後、国家中央獣医ラボラトリーの獣医師達が各グループの子豚の接種後の血清抗体をモニタリングし最適な推奨接種量と回数を決定します。目的が達成されればその成果をまとめ、モンゴル政府と国営ワクチンメーカーの同意を得て現在のワクチン接種マニュアルを更新します。

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迫田専門家(右奥)との打合せ
国立ワクチン検査センターにて

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1回目の子豚の血液採取
国立ワクチン検査センターの試験場にて