梅村孝司チーフアドバイザーの離任-モンゴル獣医教育プロジェクトを終えて-

2019年5月21日

2014年4月の本プロジェクト開始からチーフアドバイザーとしてモンゴルに常駐し活動してきた梅村孝司専門家が、2019年4月28日をもって離任となりました。同専門家からの離任の挨拶を掲載させていただきます。

「2014年4月末から5年間にわたって行われてきた『獣医・畜産分野人材育成能力強化プロジェクト』が満期を迎え、私はチーフアドバイザーの役目を終えて帰国します。本プロジェクトは私の離任後も13か月間延長されます。この5年間で約1億5千万円相当の教育研究用機材をモンゴル側に供与し、延べ126名の日本人専門家を招聘し、57名のモンゴル人教員並びに研究者を日本へ研修派遣することが出来ました。

また、日本の文部科学省のプログラムでモンゴルの若手教員・研究者10名を北海道大学と帯広畜産大学の博士課程に送り、そのうち2名はすでに学位を取得してモンゴル生命科学大学獣医学部に復職し、副学部長および講座主任に就任しました。プロジェクト終了時のアンケート調査では全教員と98%の学生が本プロジェクトによって獣医学部の教育が格段に向上したと回答し、技術講習会に参加した社会人獣医師の殆どが卒後教育のレベルアップを認めました。

モンゴルは国民一人当たり20頭を超える家畜を飼養する牧畜の国で、我々が取り組んだモンゴル獣医師の能力向上がいずれ牧畜の生産性向上、食の安全の担保、環境保全、獣医診療技術の向上に結実すると確信して私はモンゴルを離れる事ができます。本プロジェクトは、JICAおよび北海道大学の全面支援の下で実施されました。また、帯広畜産大学、酪農学園大学、北海道庁および日本中央競馬会からもご支援いただきました。ありがとうございました。」

今後は、新チーフアドバイザーである多田融右専門家とともに活動をして参ります。

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4月17日に開かれた梅村専門家の帰国報告会

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梅村専門家(左)とプロジェクトチームメンバー