第5回JCC開催とICTの生産開始

2017年9月14日

7月6日(木)に当プロジェクトに関する第5回JCC(Joint Cooperation Committee)が開催されました。昨年の総選挙に伴う省庁編成により、今回のJCCから教育文化科学スポーツ省・科学技術戦略局長のTudev Gan-Erdene博士が新たなJCC議長として就任されました。

その博士のイニシアティブで始まったJCCは、まずこれまでの日本側リーダーであった井上昇理事がサブリーダーに、今までサブリーダーだった横山直明教授がリーダーになる経緯が説明され、満場一致で承認を得ました。これは、プロジェクトの残り2年間でトリパノソーマ研究(井上教授専門)に加えてピロプラズマ研究(横山教授)をも加速させるための非常に意義のある変更です。その後、2016年度の活動や成果、2017年度の計画が発表され、プロジェクトが順調に進んでいることが参加者全員によって確認されました。

JCC閉会後は、7月3日から獣医学研究所(IVM)で開始された簡易迅速診断キット(immunochromatographic test = ICT)の製作現場を、JICAモンゴル事務所長を始めとするJCC参加者らが見学しました。このICTは日本で成功している技術であり、この技術をモンゴルの研究者たちに移転することにより、今まで遊牧地から血液サンプルを首都の研究所まで郵送し検査しないと診断できなかった病気が、現場で血清さえ準備できれば、1〜2分で診断できる診断キットです。ICT製作の一連の技術は、水島大貴博士(短期専門家)とモンゴル人留学生(現・帯広畜産大学大学院生)のDavvasurenさんによってIVMの研究者に技術移転されました。JCC後のデモンストレーション(実際に陽性と陰性の血清を垂らして病気の有無を判定する)では、IVM研究者が製作したICTが使用されました。

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第5回JCCの様子(中央右が新議長のTudev Gan-Erdene博士、左がJICA事務所の佐藤所長)

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ICT製作の技術移転をする水島短期専門家(写真左)

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ICT製作現場とデモンストレーションを見学するJCC参加者たち