終了時評価で高評価!

2019年3月13日

2月、日本より評価団が訪モし、終了時評価調査が実施されました。

その一環として、2月20日(水)にはSATREPS Scientific Meeting(SSM)が開催され、日本人・モンゴル人研究者合わせ15名がそれぞれの研究結果を発表しました。総合討論では、日本医療開発機構(AMED)の評価員を務める長崎大学の北教授より、プロジェクト研究成果の学術レベル、社会実装(診断キット開発と原虫病対策ガイドライン策定)ならびに両国の若手研究者人材育成について高く評価しているとの総括を頂きました。

地方出張やSSMを含む2週間に渡る評価調査の結果は、2月22日(金)に開催されたJoint Coordinating Committee(JCC)の場で、モンゴルの各関係機関にも共有されました。調査結果は概ね高評価であり、特にプロジェクトによって開発された診断キット(簡易迅速検査キットであるICTキットとELISA検査キット)が、すでに国の製造・販売の許可を得て昨年より農牧省によって購入・各県に配布された実績、昨年6月より施行された新たな家畜健康(衛生)法に、当プロジェクトで作成された4つの原虫病に対するガイドラインを含ませることができた実績が、社会実装(研究成果を社会生活に活用)に繋がったとして高く評価されました。

このような高評価が頂けたのは、20年以上に渡る帯広畜産大学とモンゴル獣医学研究所の交流によるものであることは疑いようがありません。実は当SATREPSプロジェクトは、合格するまで6年もの間審査に落ち続けてきました。それでも約20年前に若手研究者として出会った両国のリーダー・サブリーダーである横山教授・井上理事、Battsetseg所長、Battur教授の4名による「いつか一緒に共同研究をするんだ!」という夢を叶えるため、毎年めげることなくチャレンジした結果が、モンゴル初で現時点でも唯一のSATREPSプロジェクトを生み出したのでした。

評価後の打ち上げでは、プロジェクトの成功だけでなくそんなリーダー4名の友情と信頼関係を祝して若手研究者よりメッセージ付きケーキーが送られ、リーダーたちが涙を流すというハプニングもありました。AMEDからもJICAからも「例えこのプロジェクトが終わっても、両者の交流関係は終わらせないように。」という助言を頂いています。このプロジェクトを通じて出会った両国の若手研究者が、4人のリーダーが紡いできた友情をさらに育み、両機関の更なる連携と技術交流が継続することを願ってやみません。

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SATREPS Scientific Meeting(SSM)で研究の成果を発表するモンゴル側若手研究員

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SSMの総合討論で、総括するAMED評価員の北教授

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SSM後の集合写真

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JCCで評価結果を発表するBoldbattarモンゴル側評価員

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若手研究者より4人のリーダーに送られたケーキ

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ケーキに入刀する(左から)モンゴル側サブリーダーのBattur教授、PJリーダーのBattsetseg所長、日本側サブリーダーの井上理事、PJリーダーの横山教授