プロジェクト活動

1.協力の枠組み

(1)協力概要

1)上位目標と指標

【上位目標】
日モ病院が総合病院、教育病院として高い水準で機能する。

【指標】
1)日モ病院がISO9001(注1)の認証を受ける。
2)日モ病院で卒前・卒後研修が実施される。

(注1)製品やサービスの品質保証を通じて、顧客満足向上と品質マネジメントシステムの継続的改善を実現する国際規格。

1)プロジェクト目標と指標

【プロジェクト目標】
日モ病院が技術水準・質ともに高い医療サービスを提供できる体制が確立する。

【指標】
1)プロジェクトの完了年の病床稼働率が90%以上を維持している。
2)医療サービスに対する患者の満足度が平均してXX%(注2)を超えている。

(注2)指標の数値は第1回JCCで合意する。

2)成果

成果1:日モ病院で適切な運営管理が行われる。
成果2:患者中心の医療が日モ病院に導入される。
成果3:先端医療サービスが日モ病院で導入される。
成果4:高度な救急医療の体制が日モ病院で整備される。

2.前提条件・外部条件(リスク・コントロール)

(1)前提条件

1)モンゴル側がプロジェクトの実施に反対しない。
2)日モ病院が建設される。

(2)外部条件

プロジェクト目標達成への外部条件

1)プロジェクトの成果達成に影響を及ぼすほど、研修を受けたカウンターパートが離職しない。
2)モンゴル側がプロジェクト活動に対して、適切な予算措置、人員配置を行う。

上位目標達成への外部条件

1)モンゴル側が、プロジェクトで得られた成果・便益を維持・発展するための適切な予算措置・人員配置を行う。
2)モンゴルの教育病院運営に関連する政策と行政管理体制が著しく変更されない。

3.評価結果

本事業は、モンゴル国の開発政策、開発ニーズ、日本の援助政策と十分に合致していること、長期的に見て、持続可能な開発目標(SDGs)の目標3及び目標4の達成に資すること、さらに計画の適切性が認められることから、実施の意義は高い。

4.過去の類似案件の教訓と本事業への活用

(1)類似案件の評価結果

ドミニカ共和国「医学教育プロジェクト」(1999年〜2004年)の教訓では、医療技術に関する技術移転のほか、医療情報システム、機材管理システム、財務管理システム、診療徴収システム等、医療機関の管理システムの強化にも力点を置いた結果、質の高い画像診断医療サービスが提供され、その機材を活用した医療従事者育成が可能となった。また、教育機関として存続し続けるためには、保守管理のための準備金を確保するために、財政面の課題に取り組む必要があると提言している。

(2)本事業への教訓

本プロジェクトでは、前述の各システム強化を通じて、日モ病院の持続的な医療サービス提供体制を確立する。

5.今後の評価計画

(1)今後の評価に用いる主な指標

1.(1)協力概要のとおり。

(2)今後の評価計画

事業終了3年後 事後評価

6.広報計画

(1)当該案件の広報上の特徴

1)相手国にとっての特徴

ウランバートル市内はリファラル体制が不十分であり、既存高次病院へ患者が集中していることが課題である。日モ病院の存在を周知することで、既存高次病院への集中を緩和することが見込まれる。また、日モ病院が目指す「患者中心の医療サービスの提供」は、既存の病院には無い概念であることから、その考え方が広報活動によりウランバートル市民に広まることが期待される。

2)日本にとっての特徴

本邦研修等を通じて、日モ病院関係者が、日本の医療サービスへの理解に加え、市民交流を促進することによって、両国の相互理解が醸成される。また、MNUMSは多くの本邦大学と協定を締結していることから、大学の所在地域において、本プロジェクトが周知されると考えられる。

(2)広報計画

本協力の意義、活動内容とその成果が日本、モンゴル両国民に正しく理解されるよう、モンゴル側と協力して、効果的な広報に努める。