開院に向けてシミュレーションを実施しています。

2019年8月7日

現在、日本モンゴル教育病院(日モ病院)では、2019年10月の外来サービス開始に向けてシミュレーションを繰り返し実施しています。

シミュレーションは、患者さんが来院してから受付し、支払いをする、診察を受ける、必要であれば検査を受ける、処方箋を受け取る、といった実際の流れに合わせて各病院スタッフの動きを確認することです。プロジェクトでは、過去に徳島大学病院が新規病棟オープンの際に実践した経験をもとに、具体的な方法について指導してきました。

2019年5月からは日本人専門家の現地渡航に合わせて、実際の病院現場でシミュレーションを実施、指導してきましたが、7月からはモンゴル側が主体となって反復練習していけるよう、7月4日に診療担当副院長を長として「シミュレーション実施のためのワーキンググループ(WG)」を立ち上げました。WGのメンバーには、看護部や薬剤部、受付部、医療情報技術部、物流管理システム部、院内感染対策チームなど、関係する各部門の代表者が入り、実施計画、事例の検討、実施後の振り返りを行っています。

7月30日の全体シミュレーションでは、再来患者が受付をして、婦人科での診察、支払い、超音波検査を受けるケースを想定し、スタッフが患者役となってシミュレーションをしました。受付、看護師、医師それぞれの役割や業務はすでにマニュアルに反映され、それに従って対応するのですが、実際に動いてみると、マニュアルでは想定していなかった事態に直面します。例えば、診察後に続けてエコー検査を必要とする場合に患者の動線をどうするか、また予約に空きがない場合はどうするか、着替えスペースをどこに設けるか、検体を誰が検査室に運ぶか、などの課題があがったほか、医師がカウンセリング結果をHIS(病院情報システム)に入力するのに集中し、時間がかかってしまい、患者への配慮が足りなかったのでは、という反省の声もありました。

これらの課題に関しては、翌日のWGの振り返り会議において、対応策が話し合われました。話し合いの結果、いつまでに誰が対応するのかを明確にし、その対応状況についてはまた次回以降のWG会議で報告することになります。

このようなシミュレーションを繰り返すことにより、スタッフは様々な場面を予測して患者さんへのサービス提供に臨むことができます。プロジェクトでは、開院までこのようなシミュレーションの運営指導や個別課題への助言を行い、診療開始時には、患者が満足する質の高いサービスが提供されることを目指していきます。

【画像】

【画像】