オンラインシステムを活用した第4回合同調整委員会を開催

2020年6月15日

新型コロナウイルスの影響により専門家の渡航制限が続くなか、2020年6月4日、第4回合同調整委員会(JCC)をモンゴルで初めてオンライン形式で開催しました。

2020年4月以降、プロジェクトでは専門家を現地に派遣できない状況が続いていますが、週に一度モンゴル側との連絡会議をオンラインで開催して進捗状況を確認しながら指導にあたっています。また、JICAモンゴル事務所とも定期的にオンライン会議で進捗報告と課題共有を行うなどして、プロジェクト活動が円滑に進むよう取り組んでいます。

日本モンゴル教育病院(日モ病院)は、所管省庁の保健省から教育省への移管や、病院長の二度の交代など、運営体制を再構築する重要な局面を迎えています。2020年4月に着任した新院長を中心に組織が一丸となって、安定的な病院運営と診療サービスの拡大に向けて準備を進める必要があります。

そのような状況において、JCCの役割やプロジェクトの目標を再確認し、活動の進捗状況と実施上の課題、今後の進め方などについて確認することを目的に、第4回JCCを開催しました。新院長からは、日モ病院の法整備状況、医療提供体制(人材、設備、予算)、医療サービス提供状況(検査・診察実績、患者満足度)、課題と方策について説明がなされました。プロジェクトからは、大学病院のコンセプトや、分野ごと(看護管理・感染制御・物流管理システム・病院情報システム)の活動の進捗状況について、特に成果と課題に焦点をあてて報告しました。また、課題に対する方策として、以下の5点について協力して取り組む必要があることを強調しました。

1)病院長を中心とした運営管理体制の確立
2)プロジェクト関係者間の連携体制の強化
3)日モ病院の各委員会の機能強化
4)病院財政の適切な運営管理
5)診療サービス拡大に向けた資機材調達・人材育成・予算措置

協議においては、モンゴル側より、日モ病院の大学病院としての法的環境を整備すること、正確な情報を関係者間で共有し課題解決に努めること、教育省・保健省・大蔵省が連携して財政支援に取り組むことなど、積極的な意見が述べられました。プロジェクト目標の達成、ひいてはモンゴル国の医療サービスの向上に向けて、日本・モンゴルの両国が協力して取り組むことについて、JCCメンバー間であらためて認識することができました。

JCCのオンライン開催は初めての試みでしたが、モンゴル・東京・徳島・愛媛をつなぎ、顔の見える形で活発に意見交換することができました。今後も、渡航制限が解除されるまではオンライン形式でコミュニケーションを図り、モンゴル側の取り組みを支援していきます。

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徳島大学よりオンラインにて参加。

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モンゴル側の参加者の様子。

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モニター画面上の会議の様子。