第2回LULUCFワーキンググループを開催

2019年7月3日

2019年4月19日、ウランバートル市において、国家温室効果ガスインベントリシステム構築及び能力強化プロジェクトの第2回LULUCFワーキンググループが開催されました。

本プロジェクトの主なアウトプットの一つがLULUCF分野の能力強化及びインベントリの改善である。特に、モンゴルでは、草地面積が多いにも関わらず草地由来のGHG排出/吸収量が算定されていないため、草地由来のGHGの算定方法の改善が最優先となっている。

第1回LULUCFワーキンググループが2018年4月に開催され、モンゴルの研究機関が収集した既存の草地及び土壌データやGHG排出/吸収量の算定に必要なデータについて議論された。

第2回LULUCFワーキンググループは、JICA及び本プロジェクトのCPである自然環境気候基金の共催で、既存のバイオマス及び土壌データに関する文献調査結果を国内専門家に説明し、現時点で考えられる算定方法に必要なデータや調査対象地点の選定を含めたフィールド調査マニュアルについて議論することを目的として、開催されました。

ワーキンググループでは、JICA専門家のメンバーが既存データの分析結果の概要、モンゴルにおけるGHG排出量/吸収量の算定方法の提案、「改善ガイダンス-フィールド調査」について発表を行いました。発表後のディスカッションセッションでは、草地からのGHG排出量/吸収量の算定方法の内容や改善ガイダンスについて多くの質問が寄せられました。また、国内専門家からは改善ガイダンスに関する多くのコメントや提案が寄せられました。例えば、フィールド調査の候補地や、JICAプロジェクトで採用すべき手法等のコメントが寄せられました。

ワーキンググループでは、モンゴル自然観光省、モンゴル地理・地生態学研究所、モンゴル生命科学大学、モンゴル国立大学、情報・気象水文環境研究所、野生生物保護協会等の研究者、総勢20名以上が参加し、活発な議論が行われました。

ワーキンググループでの議論の結果、「改善ガイダンス-フィールド調査」が承認され、インベントリの改善に必要な土壌炭素ストックや地上部地下部バイオマスに関するデータ収集を目的としたフィールド調査の戦略や大まかなスケジュールが決定しました。「改善ガイダンス-フィールド調査」に基づき、2019年及び2020年にフィールド調査が実施される予定です。草地由来のGHG排出量算定方法は文献調査結果及び2019年・2020年に実施される調査の結果に基づき、改善される予定である。

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ディスカッションセッションの様子