バイオマス及び土壌のプレ調査を実施

2019年7月10日

2019年6月に、国家温室効果ガスインベントリシステム構築及び能力強化プロジェクトのバイオマス及び土壌のプレ調査が実施された。

本プロジェクトの主なアウトプットの一つがLULUCF分野の能力強化及びインベントリの改善である。特に、モンゴルでは、草地面積が多いにも関わらず草地由来のGHG排出/吸収量が算定されていないため、草地由来のGHGの算定方法の改善が最優先となっている。

草地由来のGHGの算定方法の開発の第一ステップとして、草地に関してどのような情報が現段階で得られており、算定方法の開発に必要な情報と現在得られている情報とのギャップはどの程度かを把握するため、2019年4月まで文献調査が実施された。文献調査及びモンゴル国内の専門家との議論の結果、土壌炭素ストック(SOC)や地上部地下部バイオマス比率(AGB)に関するより多くのデータが算定方法の開発のために必要であることが分かり、第二ステップとして土壌及びバイオマスデータを入手するためのフィールド調査が実施されることとなった。

第二ステップの一環として、バイオマスのプレ調査が2019年6月16日~17日にホスタイ国立公園近辺で、土壌のプレ調査が2019年6月20日~21日にノマディック近辺で、調査方法論を示した「改善ガイダンス」に従い、実施された。プレ調査の目的は、「改善ガイダンス」に従い調査が実施できるかどうかを確認し、必要に応じて「改善ガイダンス」を修正することであった。プレ調査及びモンゴル国内の専門家との議論の結果、調査票やサンプリング地点の選定方法等の一部の記述を修正することとなった。修正版の「改善ガイダンス」に従い、調査を実施できることが明らかになった。

バイオマス及び土壌の本調査は修正後の「改善ガイダンス」に従い、2019年8月または9月に別々に実施される予定である。SOC及びABGの分析結果は2019年10月末までに得られる予定である。JICAは11月より得られた分析結果を基に、草地由来のGHG算定方法の改善方法を検討する予定である。その検討結果及び国内専門家との議論に基づき、2020年に追加調査が実施される予定である。草地由来のGHG排出量算定方法は文献調査結果及び2019年・2020年に実施される調査の結果に基づき、改善される予定である。

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バイオマスプレ調査の様子

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土壌プレ調査の様子

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プレ調査中の国内専門家との議論の様子