プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)公共投資計画策定能力強化プロジェクト
(英)Project for Strengthening the Government Capacity of Public Investment Plan

対象国名

モンゴル

署名日(実施合意)

2017年11月3日

協力期間

2019年2月15日から2023年2月15日

相手国機関名

国家開発庁/大蔵省

背景

モンゴルは、鉱物資源価格の下落、海外直接投資の急落、中国の成長鈍化などの影響によりGDP成長率が低下する一方、財政赤字や公的債務は拡大しています。このような状況下、モンゴル政府は安定的なマクロ経済運営を図るために、2016年策定の中期開発政策において、財政赤字の削減や安定的な経済成長の確保に向けた具体的な施策の一つとして「財政の一貫性の確保、予算外支出の中止、公共投資に係る政策、計画を改善することで効果を上げる」を明記しました。
現在、公共投資は国家開発庁と大蔵省により管理されていますが、政策基盤の枠組みが整備されつつある一方、事業の優先度基準、財源の確保、手続きの具体化、案件評価の基準等の詳細規定や運営指針は未整備ままです。そのため、増加する開発プロジェクトニーズに対し、限りある財源をどのように配分するのか、いかに国家予算外の資金を確保するのかといった課題について、不透明もしくは未確定な要素が多いという状況でした。
こうした背景を踏まえ、本プロジェクトでは国家開発戦略に資する公共投資事業を限られた財源の中で形成・実施運営・モニタリングするための枠組みを形成することを目的とし、国家開発の実現と財政健全化の両立への貢献を目指しています。

目標

上位目標

公共投資プログラムに登録された事業が政府アクションプラン、各省政策、国家プログラムの達成に寄与する効果を発現する。

プロジェクト目標

国家開発や財源に整合した公共投資プログラムを形成・管理する枠組みが構築される。

成果

成果1:共有された公共投資プログラムの事業を決定する基準の下、大蔵省と国家開発庁の公共投資プログラム形成・管理に関する役割と責任が明確になる。
成果2:セクター省庁と地方自治体による公共投資プログラムの事業形成の仕組みが開発される。
成果3:大蔵省と国家開発庁による事業審査と財源確保の仕組みが開発される。
成果4:公共投資プログラム事業のモニタリングの仕組みが開発される。

活動

1-1.公共投資プログラムの形成・管理プロセスにおける課題を特定する(公共投資プログラムの毎年の見直しと2年に一度のモニタリングと評価を含む)。
1-2.複数年の観点でいかに公共投資プログラムへの資金配分を管理するか確認する。
1-3.公共投資プログラムの事業分類・優先順位付けに関する共通認識を大蔵省と国家開発庁の間で醸成する。
1-4.大蔵省と国家開発庁の公共投資プログラムの形成と管理に関する役割と責任を明確にする。
1-5.公共投資プログラムを他省庁・機関・地方自治体に周知および一般市民に対して広報する。
1-6.公共投資プログラムの事業形成・審査の観点から三本柱政策の見直しもしくは三本柱政策に引き続く政策の形成に向けて必要な情報・提言を出す。
1-7.成果2~4に基づいた次期公共投資プログラム形成のための準備ガイドラインを開発する。

2-1.公共投資プログラムlistingのための事業形成の手法を開発する。
2-2.公共投資プログラム形成を検証するためのパイロット機関選定基準を検討する。
2-3.パイロット機関にて事業形成の手法を検証する。
2-4.検証された手法に基づいた公共投資プログラム事業形成マニュアルを完成する。
2-5.事業を申請する機関のための公共投資プログラムの事業形成のための研修(F/S、費用便益分析など)を開発する。
2-6.公共投資プログラムの事業形成のための研修を実施する。
2-7.次期公共投資プログラム形成のためにパイロット機関に支援を提供する。

3-1.公共投資プログラムのための事業審査(政策との整合性など)と財源確保(事業分類、F/S結果の審査など)の手法を開発する。
3-2.公共投資プログラムの事業審査と財源確保の手法を検証する。
3-3.財源を中期財政枠組み(MTFF)と年度予算を踏まえて調整する。
3-4.公共投資プログラムの事業審査および財源確保マニュアルを作成する。
3-5.3-4のマニュアルに基づいた事業審査と財源確保の研修を開発する。
3-6.事業審査と財源確保の研修を実施する。
3-7.次期公共投資プログラム形成に提出される事業に対する審査と財源確保を行う。

4-1.公共投資プログラム事業のモニタリング(及び必要に応じて評価)枠組みを、事業タイプ別(国内予算、ODA、PPP、民間)に開発する。
4-2.公共投資プログラムのモニタリングを検証するためのパイロット機関選定基準を検討する。
4-3.パイロット機関でモニタリング枠組みを検証する。
4-4.モニタリング報告書を2019年、2020年、2021年の公共投資プログラム見直しに反映する。
4-5.公共投資プログラム事業モニタリングのためのマニュアルを完成する。
4-6.事業タイプ別の公共投資プログラム事業のモニタリング研修を開発する。
4-7.公共投資プログラム事業のモニタリング研修を実施する。
4-8.公共投資プログラムモニタリングを指導・支援する。

投入

日本側投入

1.専門家派遣:総括/公共投資プログラム、副総括/公共財政管理、公共投資プログラム、リスク分析、事業モニタリング、業務調整/研修
2.研修員受け入れ:公共投資管理分野の本邦研修and/or第三国研修
3.機材供与:プロジェクト活動に必要な資機材

相手国側投入

1.カウンターパートの配置
2.案件実施のためのサービスや施設、現地経費の提供