プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)医師及び看護師の卒後研修強化プロジェクト
(英)Project for Strengthening Post-graduate Training for Medical Doctors and Nurses

対象国名

モンゴル

署名日(実施合意)

2020年6月19日

プロジェクトサイト

ウランバートル

協力期間

2021年1月1日から2025年1月31日

相手国機関名

(和)保健省
(英)Ministry of Health

背景

モンゴル国(以下、「モンゴル」という)の乳児死亡率(出生千対)は2007年の28.4から2018年では14.0へ、妊産婦死亡率(出生十万対)は2005年の98から2017年の45へそれぞれ減少するなど国全体の基礎保健指標は改善している。地域格差に関しては、乳児死亡率は都市部15、地方16と差が縮まっているものの、妊産婦死亡率は首都ウランバートルの41.8に対し、地方では県によって0から212.9と大きな幅がある。このような指標の差が生じる理由として、地方の家庭医療保健センターや村保健センター等の一次及び二次レベル医療施設の医療従事者不足が指摘されている。医師の割合は都市4.23に対し地方2.26、看護師の割合は都市4.28に対し地方3.31である。また地方の医療従事者が提供する医療サービスの質の低さも理由として指摘されており、これら施設でのサービスの質向上が保健セクターの課題となっている。これに対しモンゴル政府は6年間の教育課程を終えた新卒医師に対して仮免許を付与し、地方の一次及び二次レベル医療施設での2年間の勤務を義務付けることで、地方における保健人材不足の解消に努めてきた。しかしながら、新卒医師は一次及び二次レベル医療施設で勤務するに十分な卒後臨床研修を受けていないことから、患者が適切な診断を受けられないままウランバートルの三次医療施設に搬送されるケースが増加している。そのため、医療サービスの地域格差を解消するための一つの解決策として、一次及び二次レベルの医師をはじめとする医療従事者に対する卒後研修体制の包括的な強化を通じた診断能力の向上が求められている。
このような課題に対し、2015年から5年間、技術協力プロジェクト「一次及び二次レベル医療施設従事者のための卒後研修強化プロジェクト」を実施、その結果、卒後医師に対する総合研修制度が整備され、地方部を含む2県において実施されたほか、看護人材育成においても指導者に対する指導法の強化について実施された。
本案件はフェーズ1で実施された総合診療研修の更なる拡大のほか、新卒看護師を対象とした看護師の卒後教育の質の改善と、これらの人材育成に関するモンゴル側の行政機関の管理能力強化を支援するものである。

目標

上位目標

医師及び看護師によって提供される保健医療サービスの質が向上する。

プロジェクト目標

医師及び看護師の卒後研修システムが強化される。

成果

1.総合診療医プログラムを実施する体制が強化され全国に展開されるとともに、医師の卒後研修の質が改善される。
2.新人看護師の研修プログラムが導入されるとともに、看護師の卒後研修の質が改善される。
3.医師及び看護師の卒後研修管理能力が改善され、評価・見直し・強化を行うシステムが構築される。

活動

成果1に対して、カリキュラム改善、研修評価、医師向け必須研修等を実施する。
成果2に対して、新人看護師対象の研修カリキュラム改善、看護師指導者養成講習会、看護師向け必須研修等を実施する。
成果3に対して、医師・看護師向け研修の管理・運営の改善、臨床指導者養成講習会の管理・運営の改善、保健省への提言・支援、医師及び看護師のキャリア開発体制構築の支援等を実施する。

投入

日本側投入

1.専門家派遣
2.本邦研修(地域医療、救急医療、卒後研修、看護等の分野)
3.機材供与(研修用機材、教材等)

相手国側投入

1.カウンターパートの配置(プロジェクトダイレクター、プロジェクトコーディネーター)
2.執務スペース、必要備品の提供
3.JICAから提供されるもの以外の必要な機材の配置
4.プロジェクト実施に必要な管理費用