プロジェクト概要

プロジェクト名

(日)子どもの発達を支援する指導法改善プロジェクト

背景

モンゴル国では、1990年以降民主化による価値観の転換・市場経済化に伴う経済の混乱が生じたことに加え、1991年ソ連邦の崩壊に伴う同国からの援助停止により政府財 政が逼迫した。これらの要因が複合して教育分野においても教育行政能力の不足、教員の質の低下、教育インフラの未整備、高等・専門教育の未発達、地方における就学率の低下 等様々な問題が生じており、特に教育分野での基礎となる教育行政能力を向上、地方教育行政に携わる人材の育成が求められている。

2003年に策定された“Economic Growth and Poverty Reduction Strategy (EGSPRS)”が指摘するモンゴル教育に おける問題点は、「前教育レベルでの教育内容の改善」「教師の専門スキル、指導スキルの改善」「教科書、教材の刷新」「生徒の成績評価と基礎教育の質の改善」「職業訓練の 教育内容の改善」「リテラシーの向上」など、物的環境の整備や地域間格差の是正を除けば、いずれも「教育の質」にかかわっている。また、2004年2月に大臣決定をみた教 育文化科学省(MOSTEC)「施政方針計画2004-06」では、新しい目標を「子どもと青年が労働でき、生きる能力を身に付け、企業活動を行えるよう職業訓練の基礎を も習熟させる」と定めた。

9年間の義務教育課程で基本的なリテラシーをきちんと身に付け、将来社会で生きていくだけの能力を身に付けるためには、アカデミックな知識の記憶 を主とする従来型の学習では不十分だという反省がなされている。その解決にあたり特に重視されているのは(1)小学校教育の内容・指導法の刷新と、基礎的リテラシーをすべての 生徒に保証する教授法の開発、(2) 理科、数学、IT教育の刷新、特に実験・実習・観察の重視、知識・技術の有用性・実践性の育成、である。

これにともないMOSTECは、関連大学と共に「初等教育指導法研究センター」「理科教育指導法研究センター」「数学教育指導法研究センター」「IT教育指導法研究センター」を設置し、それぞれのセンターで活動が開始されている。モンゴル側からは、これらセンターに対する指導法改善の技術指導、教材作成や現場教員への普及等の運営面での支援について要請がなされた。

目標

上位目標:

「子どもの発達を支援する指導法(Learning-support Teaching Methods)」(以下「指導法」)がモデル県において普及される。

プロジェクト目標:

「指導法」が基礎教育の新スタンダードに応じて開発される。

成果

  1. 「指導法」がモンゴルの状況に応じて研究され、開発される。
  2. 開発された「指導法」が県指導主事、教員らによって、学校現場の現状に合うように改善される。
  3. モデル校において、学校現場に応じた「指導法」が試行される。
  4. 「指導法」の導入および継続的実施のためのモニタリングモデルが開発・実行される。

活動

1-1
モデル県において、指導法および教員評価についてのニーズ調査を行う。
1-2
教育省、モデル県指導主事、教員らとともに、4センターが「指導法」を研究し、特定単元の指導書/指導教材の素案を作成する。
1-3
4センターのメンバーおよびモデル県指導主事が参加し、日本において「指導法」に応じた指導書/指導教材を作成する。
1-4
ワーキンググループ は、2-1の活動および3-5、4-5のレポート結果を分析し、指導書/指導教材を改善する。
1-5
4センターが「指導法」のコンセプトや実践について、大学の教員養成課程において紹介する。
1-6
プロジェクトチーム は、ニュースレターやWebなどで、プロジェクトの広報活動を行う。
2-1
モデル県教育局が指導書/指導教材開発のワークショップを開催し、教育現場の現状に応じた指導書に改善する。
2-2
モデル県教育局がモデル校教員に対し、2-1で改善された指導書・指導教材を普及する研修を行う。
3-1
モデル校の選定を行う。
3-2
モデル校の校長は、「指導法」導入の環境整備(教員や父母の理解など)を行い、教員が活動できるスペースの確保を行う。
3-3
2-1のワークショップおよび2-2の研修に参加した教員は、クラスにおいて「指導法」を実践し、その知識を他の教員に伝達する。
3-4
モデル校において授業分析が行われる。
3-5
モデル校は3-4の授業分析の結果を、県教育局を通じてワーキンググループに報告する。
3-6
モデル校は「公開授業」を開催し、「指導法」やプロジェクトの活動を他の学校の教員や父母に紹介する。
3-7
プロジェクトチームは、「指導法」について優れた活動を行ったモデル校の教員を広報する。
4-1
ワーキンググループはモデル校において、「指導法」の実践をモニタリングするモニタリング手法を研究し、ガイドラインを作成する。
4-2
モデル県教育局は、ワークショップを開催し、開発されたモニタリング手法及びガイドラインが教育現場で実践可能か検討を行う。
4-3
モデル校において、教員の指導法及び子どもの学力に関するベースライン調査を行う。
4-4
モデル校校長は、教員および子どもに対するモニタリングを行う。
4-5
モデル校校長は、4-4のモニタリング結果をモデル県教育局を通じてプロジェクトチームに報告する。
4-6
モデル校において、教員および子どもの変化を測るエンドライン調査を行う。

PDM

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