プロジェクト概要

プロジェクト名

(日)水産物付加価値向上促進計画プロジェクト
(英)The Project on Improvement of Value Adding Method Fisheries Product in Morocco

対象国名

モロッコ

署名日(実施合意)

2005年4月6日

プロジェクトサイト

アガディール

「日の没する地の王国」といわれる通り、モロッコ国はアフリカの北西部に位置し、北部は地中海に、西部は大西洋に面しています。

モロッコ南西部に位置し、大西洋とアトラス山脈との間にあるアガディール県。プロジェクトは、青い海と太陽が輝く中心都市アガディール市に隣接しているアンザ市に拠点を置いています。

プロジェクトを実施している「水産物開発技術センター」は、日本の無償資金協力で2003年に建設され、2004年2月24日に、モハメッド6世国王によって開所式が行われました。

水産物付加価値向上促進計画は、この「水産物開発技術センター」を拠点として、民間企業とともに水産加工品を開発・改良していくとともに、科学的根拠に基づいた水産物の品質・衛生管理を提示し、水産業界がそれらを実践していくことを目指しています。

実施期間

2005年6月11日から2009年6月10日

相手国機関名

海洋漁業省国立海洋漁業研究所(INRH)水産物技術開発センター

日本側協力機関名

農林水産省水産庁

プロジェクトの背景

モロッコ(以下、「モ」国)は近年、輸出入の規制緩和を図ることによって持続的な経済成長を目指しているが、農林水産物は輸出額の24.0%を占める重要な産業である。「モ」国の水産業はアフリカ随一の漁獲量を誇り、国の総輸出額の約16%(2002年統計)を占める。漁業従事者は約21万人だが、加工場などで働く間接的従事者を含めると約40万人の労働者を吸収する産業となっている。

しかし、近年は過剰漁獲などの理由によって漁獲量は減少傾向にあり、2001年には約110万トン漁獲されていたものが2003年は約90万トンまで減少している。2004年には8ヶ月に及ぶタコの禁漁措置が採られるなど、漁獲規制などにより資源の減少を食い止める方策が試行されつつあるが、加工品の多様化、品質の向上、鮮度の向上及び未利用資源の利用促進など、限りある資源を有効に利用していくことも望まれる。

一方で、モロッコの水産資源利用の現状としては、鮮魚として流通させる他、加工品は冷凍・缶詰・瓶詰め・魚粉加工利用など1次加工と簡易な2次加工(これらの産品が全体量の約80%を占める)に限定されており、有効に利用されているとは言い難い。また、近年は水産加工品の主要な輸出先であるEU(輸出総量の内約42%)からも食品安全基準(EU基準)の順守が求められており、その対応が喫緊の課題となっている。零細漁業においては、簡易な鮮度保持や加工技術すら欠如しており、漁獲物の販売能力、未利用資源の有効利用技術が立ち遅れているため、零細漁民は所得向上の機会を逸しており、その対策が望まれている。

このような問題を解決するため、モロッコ政府は漁民を含めた水産業界が進める付加価値向上を支援することを目的に、水産物開発技術センターを設立した(2004年2月)。しかし、同センターは未だ実践的な加工・衛生品質管理の経験が少なく、加工場や漁業者との連携協力も現状では進んでいないことから、本プロジェクトにより、センター研究者の能力を強化すると共に、漁民を含めた水産業界のニーズに即した研究開発が行われる体制の構築が行われる運びとなった。

目標

上位目標:

センターが開発に関係した新しい水産加工品及び衛生品質管理に関する手法や知見が水産業界で活用される。

プロジェクト目標:

水産物の付加価値向上に関する方法がセンターの活動を通して水産業界 に提案される。

成果

  1. 業界のニーズがセンターの研究開発テーマに十分反映される
  2. センターの水産加工分野の研究開発能力が向上し、新商品開発の可能性が高まる
  3. センターの衛生品質管理分野の試験研究能力が向上し、モロッコ版の衛生品質管理ガイドラインの検討が進められる
  4. 零細漁業の漁獲物品質向上及び加工技術が提案される
  5. センターの運営能力が向上する
【写真】

企業に対する研究結果の報告(成果1)

【写真】

水産加工技術の習得(成果2)

活動

1-1.
加工場などの訪問調査により、加工業界の抱える問題を把握し、その解析を行う。
1-2.
衛生品質管理の問題及び国際ニーズに対するモロッコの対応の現状を把握し解析する。
1-3.
センター運営管理委員会及び技術委員会で研究テーマとその内容について検討・決定し、進捗状況をモニタリングする。
2-1.
カウンターパートに対する加工品製造指導を行う。
2-2.
水産物加工品製造マニュアルを作成する。
2-3.
企業技術者などに対する水産物加工品製造研修を行う。
2-4.
企業との新製品共同開発試験を行う。
2-5.
試作品を見本市や試食会で発表する。
3-1.
カウンターパートに対する衛生品質分析技術指導を行う。
3-2.
水産物の保存方法及び鮮度変化に関する分析を実施し、その結果の取り纏めを行う。
3-3.
水産物の衛生検査、原料の成分分析及び製品の品質分析などの化学分析を実施し、その取り纏めを行う。
3-4.
企業技術者などに対する製品の品質改善研修を行う。
3-5.
魚食普及のための水産物の有効成分分析結果を様々な場で発表する。
4-1.
零細漁村における漁獲物の衛生品質管理及び加工品製造に関する現状を調査する。
4-2.
モデル零細漁村2ヶ所を選定する。
4-3.
モデル漁村で加工技術指導を行う。
4-4.
モデル漁村での漁獲物衛生品質管理技術の指導を行う。
5-1.
センターの研究活動が定期的に広報される。
5-2.
水産セクターに対する情報発信能力が強化される。
5-3.
関連機関との連携を強化する。
5-4.
センターの中期活動計画(案)が作成される。

投入

日本側投入:

  • 長期:チーフアドバイザー/水産加工技術、衛生品質管理、副チーフアドバイザー/広報/業務調整
  • 短期:水産物加工、衛生品質管理、検査分析に関する各種技術分野
  • 供与機材
    加工用機材、分析機材、普及用車両 など
  • 研修員受け入れ
    日本又は第三国での研修に毎年1〜2名受け入れ
  • プロジェクト活動費
    プロジェクト終了後にも継続的な支出を伴わず、且つモロッコ側の負担が困難なもののみ日本側が負担する。

相手国側投入:

  • カウンターパート
    政府:センター所長(プロジェクトマネージャー)1名、水産加工分野3名以上、品質管理分野4名以上、テクニシャン(C/Pの補佐)4名以上、必要に応じ、その他政府関係者
  • 建物・設備・機材
    水産物開発技術センター試験研究施設・資機材、執務スペース、会議室
  • プロジェクト活動費
    本プロジェクト終了後も必要となる通常経費(研究開発及び品質検査などに関する試料並びに薬剤などの消耗品経費も含む)