第6号「保健人材養成機関(IdF)における全国教育評価プレテスト」

2018年7月31日

本プロジェクトでは、質の高い保健医療人材養成の持続的なシステム構築のため、全国統一学力試験の実施に関する活動を支援しています。今回は、プロジェクトニュース第4号に続き、試験問題作成について続編をお届けしたいと思います。
この学力試験は、学生個人の評価・選抜ではなく、各養成機関(IdF)の指導能力、つまり各IdFの学生の習得レベルを調査することを目的としています。調査の妥当性を確保するためには、試験問題自体について、教育課程(カリキュラム)内から出題される分野や難易度の偏りをなくす必要があります。
そこで、全国のIdFから優先6コースの教員を集め、カリキュラムの単元毎に学習内容を網羅するよう問題を作成します。次に、作成された問題の難易度を測定するためのプレテストを実施し、出題した各問題の難易度と適正度を測るため、いわゆる「識別指数の分析」を行い、本番の試験に適した問題を選びます。ここで選ばれなかった問題は、新たな問題を作成するためのワークショップの中で再検討され、新たに作成された問題と一緒にまたプレテストを実施するという一連のサイクルによって、試験問題が「問題バンク」として蓄積されていきます。

実際には、これまでに2回のプレテストを実施しています。第1回プレテストの結果は、問題作成ワークショップを開催し、ブラジル人専門家の技術支援のもと分析結果を共有、不適合となった問題の再検討を行い、さらに新規の問題作成を行いました。その後、ワークショップで再検討、作成された問題について、6月末に第2回プレテストを実施しました。
また、この学力試験は、採点の効率性・公平性の観点から、4択のマークシートを導入していますが、モザンビークにおける導入にはまだ課題も多く、第1回プレテストではマークミスが多発し、採点・分析作業に遅れが生じました。そのため試験実施責任者を招集、対応策を検討し、検討結果をプレテスト実施前オリエンテーションに反映することで試験実施能力の向上にも努めています。
今後は、第2回プレテストの分析を実施し、蓄積された問題をもとに試験問題冊子を作成、今年12月に試験本番を迎えます。

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第1回プレテスト後のマークシート集計作業の様子
Thiago/Paula短期専門家とC/Pが共同で実施
(2017年12月11日)

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昨年12月実施のプレテスト総括会議の様子。
(2018年2月28日)

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第1回プレテストの分析ワークショップ
Michelly 短期専門家による分析方法の説明の様子
(2018年5月14日)

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第1回プレテストで出題された問題の修正と新規問題作成の様子
(2018年5月18日)

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第2回プレテストのオリエンテーション会議
テストが実施される各校の責任者が出席した。
(2018年6月21日)

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マプト医療従事者養成学校での第2回プレテストの様子
全12校、1117名に対して実施された。
(2018年6月26日)