プロジェクト活動

1.フェーズ1での活動

1-1.フェーズ1の概要

ミャンマー社会福祉行政官育成(ろう者の社会参加促進)プロジェクトフェーズIは、2007年12月より3年間、マンダレーとヤンゴンを拠点としてろう者の社会参加が促進することを上位目標として活動を開始しました。

活動のメンバーとして、社会福祉行政官、ヤンゴンとマンダレーのろう者、ろう学校教員でタスクフォース(計20名)を形成し、月1回のミーティングを実施。タスクフォースの主な活動は、ミャンマー手話の分析、ミャンマー手話会話集の作成、基礎的な手話教授法の習得、コミュニティ(一般市民)への啓発活動です。

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フェーズI活動の様子

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フェーズI活動の様子

1-2.ミャンマー手話会話集

ヤンゴンとマンダレーでは多少異なる手話を使っています。これは日本語で例えると東京と大阪のような地域差、つまり方言のような違いです。ミャンマー手話会話集を作成するにあたり、ヤンゴン・マンダレー各20名、計20名、さらに年代別のろう者の手話を収録し、パーセンテージが一番高い手話を手話会話集に掲載しました。

以前はヤンゴンとマンダレーのろう者が会う機会はほとんどありませんでしたが、プロジェクトの活動を通じて会う機会が増え、双方のろう者間で信頼感や連帯感が深まりました。

さらに手話は動きのあるものでテキストだけで全てを伝えることは難しいため、テキストに合わせてDVDも作成。実際の会話を想定した場面(例:病院での医師と患者の会話)もあり、楽しく簡単に学べる教材になっています。

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「ミャンマー手話会話集」

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「手話ポスター」

「ミャンマー手話会話集」の一例

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非手指動作:あご下げ

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非手指動作:うなずき

1-3.啓発活動“手話ワークショップ”

ろう者・手話の理解の向上を目的にしたコミュニティ(一般市民)への啓発活動を全国12か所で行いました(実施場所は下記の地図をご参照ください)。

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啓発活動“手話ワークショップ”実施場所

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手話ワークショップ(2010年5月 ヤンゴン)

手話ワークショップでは教育・保健・警察・社会福祉等、一般市民が日常生活で携わりのある政府の行政官、ろう者の家族、NGOのスタッフ等、各ヶ所で30名が参加し、“What is the Deaf?" "What is the Sign Language?”等の講義や手話講座を行いました。

手話ワークショップ参加後の参加者のろう者に対する理解度が向上したかという点において、参加者に下記のような質問票の統計を実施。ほとんどの参加者が5段階のうち5と評価し、理解度が向上したという結果となりました。

Q:ミャンマー手話ワークショップに参加してろう者についての理解度が向上したか?

Did this Sign Language Workshop make you promote better understanding about the deaf people?

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2.フェーズIIでの活動

2−1.手話指導者トレーニング

フェーズIIの開始とともに手話指導者としてフェーズIのタスクフォースメンバーから8名(ヤンゴン4名、マンダレー4名:ろう者6名、聴者2名)を選出し、ヤンゴンのろう者1名を増員して、9名でトレーニングを実施しています。手話指導者(Sign Language Trainer)とは将来手話通訳者を担う手話支援者(Sign Language Supporter)を育成する人材です。手話指導者のトレーニングは2011年9月よりヤンゴンの社会福祉局障害者学校内のプロジェクト事務所にて開始され、現在まで約1年半が経過しました。この1年半で手話教授法:初級・中級・上級、手話支援者のトレーニング方法を学び、いよいよ2013年2月より手話支援者のトレーニングを開始しました。支援者のトレーニングは開始されましたが、指導者のトレーニングが終わったわけではありません。指導技術はさらに向上すべく、日々の支援者トレーニングの合間に復習・反省・さらなるトレーニングを継続して実施しています。

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手話指導者トレーニングの様子

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手話指導者トレーニングの様子

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2−2.手話支援者トレーニング

手話支援者とは基礎的な手話通訳ができる人材、将来的には手話通訳を担う人材のことを指します。社会福祉局が手話支援者24名を選出。2013年2月1日にはミャンマー社会福祉・救済再復興省大臣、副大臣臨席のもと、手話支援者トレーニングラウンチングセレモニーを開催しました。2月4日から月〜金曜日10時〜16時にてトレーニングを開始しています。現在は午前中は手話の授業、午後は一般教養、ミャンマー音声言語のトレーニングを中心に進めています。期間は、1年間は教室でのトレーニング、その後6ヶ月は実践訓練(Practical Training)、計1年半のトレーニングです。フェーズIIの期間中に第一期手話支援者の育成・実践トレーニングの実施、第二期の育成開始を目指しています。

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手話指導者トレーニングラウンチングセレモニー(2013年2月1日ネピドー)

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手話指導者トレーニングラウンチングセレモニー(2013年2月1日ネピドー)

2−3.啓発活動“ろう者のためのワークショップ”

フェーズIでは一般コミュニティに向けた啓発活動を実施しましたが、フェーズIIでは社会福祉局の意向によりヤンゴン及びマンダレーのろうコミュニティへの啓発活動を実施することになりました。約2ヵ月に1回、ヤンゴンとマンダレーでろう者のワークショップを行い、ワークショップでは手話指導者が習得した知識・技術をろうコミュニティで共有、さらにろう者が直面している問題点等をグループディスカッション等で協議することを目的としています。

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ろう者のためのワークショップ(2012年10月マンダレー)

2−4.啓発活動 ミャンマー手話の“Health Digest”への掲載

ミャンマー全国に30,000万部発行されている医療ジャーナル“Health Digest“にフェーズIで作成したミャンマー手話会話集からミャンマー手話を毎週掲載することとしました。2012年5月30日から掲載を開始し、現在も掲載を続けています。啓発活動に行けない地域でもミャンマー手話やろう者への理解へつながることを期待しています。

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2−5.第3回本邦研修の実施

2012年11月下旬から2週間強、第3回本邦研修を実施。今回の研修は手話支援者トレーニングが開始前に日本の講師の方々から直接指導いただける最後の研修となりました。研修の主な目的は手話支援者育成のための指導技術の習得です。参加者からの要望により、研修は日中のみならず夜間も実施。1年半の指導者トレーニングの総まとめとなった研修でした。

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第3回本邦研修の様子(2012年11月)

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第3回本邦研修の様子(2012年11月)