合同調整委員会の開催とプロジェクトの終了

2017年3月15日

2011年8月9日から技術協力を始めた本プロジェクトは、今月3月8日で幕を閉じます。プロジェクトの終了に先だって、2月9日に、ミャンマー・日本側双方のプロジェクト実施責任者により組織された合同調整委員会(Joint Coordination Committee)を開催し、プロジェクトが所期の目的を達成したことを確認しました。また、ミャンマー農業畜産灌漑省が今後もプロジェクトの成果を持続的に発展させ、農民参加によるイネ種子増殖において品質の向上と維持に努めるとともに、多くの農民が保証種子(Certified Seed)を使い、生産の安定と収入向上が可能となるよう、一層努力していくことを併せて確認しました。
5年7ヶ月に及んだミャンマー農業畜産灌漑省カウンターパートとプロジェクト専門家チームの共同プロジェクトは、決して容易なものではありませんでした。種子増殖における品質管理を徹底するとはいっても、目に見えないイネの遺伝子を純化(多品種の遺伝子の混入を排除しつつ、ホモ接合体維持する)するために、現場では炎天下での異株の抜取りや除草等、地道な努力と忍耐が求められました。しかし、カウンターパートは常に積極的に知識と経験を吸収し、これらの活動を着実に実行してきました。その結果、ミャンマーの主要9品種において、育種家種子(Breeder Seed)、原原種種子(Foundation Seed)、原種種子(Register Seed)、そして保証種子の遺伝的純化を達成し、高品質な種子増殖を実現するとともに、一般農家への普及に止まらず、精米所や流通業者にも保証種子を使ったコメの品質の高さを証明するに至ったのです。
私たちのプロジェクトは終了しますが、種子増殖と普及は、今後ミャンマー農業畜産灌漑省のカウンターパート達の手によってシステム化され、ミャンマー全国の種子生産農家に波及していくことでしょう。

【画像】合同調整委員会にて