(1)ミャンマーにおける教育セクターの現状と課題
ミャンマーの初等教育(1〜5年生)は、総就学率が117%(世界銀行、2010)に到達した一方、中退率は学年が進むにつれ上昇し、最終学年では23%(ミャンマー教育省、2011)に達する。これは、家庭の貧困や親の季節労働等による影響と並んで、教育内容の質の低さや教員の能力不足が学習に対する子どもの興味・関心を阻害していることも原因と考えられている。
このような状況を受け、ミャンマーでは2011年の民政移管後に発足した新政権が基礎教育の拡充を重点課題の一つに据え、国際水準の教育を標榜し、国家教育法の制定や教育基本法の改訂、学制改革や基…