臨床系短期研修の準備と初回の研修員出発

2015年10月5日

医学教育強化プロジェクトを通じて期待される成果の一つは、臨床系における分野横断的技術として画像診断と救急医療に関する技術が本邦研修により向上し、それらの技術に関する現地での研修プログラムが、研修を受けた大学教員によって活用され改善することです。その成果を達成するために、プロジェクト期間を通じて日本の6協力大学にて臨床系短期研修(各11週間)を実施し、分野毎に年間2名程のミャンマー側大学教員医師が参加する予定です。

この画像診断技術の一つに内視鏡診断があり、千葉大学が短期研修を実施していきます。ミャンマー側教官との協議のため、千葉大学大学院医学研究院 消化器・腎臓内科の横須賀収教授がヤンゴンを8月3日から6日まで訪問しました。

横須賀教授は、ヤンゴン第一医科大学とヤンゴン総合病院にある国立内視鏡センターを訪れ、第一医科大学消化器科教授のDr. Thein Myintや研修員候補者との面談を行い、機材・施設の状況や診療現場を視察しました。本邦研修の実施前に日本の指導教官と話し合いができたことから、ミャンマー人研修候補者も海外研修前の不安を払拭し、千葉大学での研修に期待を膨らませている様子でした。

8月30日には、臨床系短期研修の第一陣として4名のミャンマー大学教員医師が日本に向けて出発しました。彼らのうち産婦人科1名は新潟大学、病理学1名は長崎大学、放射線科2名は金沢大学にて研修し、11月14日にミャンマーに帰国します。彼らも今年5月にそれぞれの大学の指導教官と当地にて面談しています(新潟大学 榎本隆之教授、長崎大学 福岡順也教授、金沢大学 小坂一斗助教)。訪日に先駆け、JICAミャンマー事務所にてオリエンテーションを行い、彼らが帰国後に同僚教員や若手医師に対して行う技術普及セミナーの計画についても事前検討を行いました。

初回研修員4名は、初めての日本で新たな人々と出会い学びを修め、その成果を帰国後に他の関係者に共有するという展望を持って出発しました。今後順次、熊本大学、岡山大学、千葉大学への短期研修員も日本に向けて出発します。

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千葉大学横須賀教授とヤンゴン第一医科大学Thein Myint教授

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臨床系短期研修員第一陣