現地普及セミナー(1):産婦人科超音波診断技術

2016年7月25日

プロジェクトの国内協力機関6大学のうち新潟大学は産婦人科研修を担当し、2015年度はヤンゴン第一医科大学の講師Dr. Win Win AyeとDr. Wint Lay Naingを受け入れました。彼女らの帰国後の現地普及セミナーとして、新潟大学の指導教員4名も参加する形で、5月3日にヤンゴン中央婦人病院で行われました。

新潟大学からは、医学部産科婦人科榎本隆之教授、高桑幸一教授、山口雅之講師、生野寿史助教が来訪し、特別講義とハンズオン・セッションの指導を行いました。セミナー参加者は、ヤンゴン第一医科大学及びヤンゴン第二医科大学にて修士号や博士号の産婦人科専門課程を受講する若手医師約30名で、両大学の教授陣も出席しました。

帰国研修員は、日本で学んだ産科超音波診断の基本(超音波診断装置の操作、妊娠週数評価、胎児発育など)についてプレゼンテーションを行い、参加者より活発な質問が相次ぎました。ミャンマーでは、通常の妊婦健診における超音波診断は放射線科医により実施されており、産婦人科医は緊急時に対応することになっています。しかし、放射線科医師が不足していることもあり、多数の妊婦が超音波診断を受けられる状況ではありません。このような状況の中、本プロジェクトの帰国研修員は、妊産婦・胎児の超音波診断技術を身につけた産婦人科医として、ヤンゴン中央婦人病院にて同検査を行うことが認められるようになりました。

午後のセミナーでは、産科超音波診断技術のハンズオン・セッションとして、用意された超音波診断装置4台を使用し、新潟大学教員と帰国研修員が指導する中でセミナー参加者が超音波診断を試みました。4つのグループごとに、事前に同意し妊婦健診に来た妊娠初期・中期・後期の妊婦を対象に、胎児推定体重の測定、胎児スクリーニングの基本断面等を確認していました。

榎本教授からは閉会の辞として、妊婦健診などの機会にて出来るだけ数多くの正常なケースを診ることにより、異常なケースをいち早く見つけることができるようになるであろうとの激励の言葉がありました。

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プレゼンテーションへの質疑応答

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産科超音波診断技術ハンズオン・セッション

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産婦人科現地普及セミナー参加者