現地普及セミナー(6):内視鏡画像診断技術

2016年10月3日

ミャンマーでは現在、内視鏡医の人数が極端に少なく20名ほどしかいませんが、ヤンゴン総合病院には国立内視鏡センターが設立され、ヤンゴン第一医科大学消化器科教授のDr. Thein Myintは、内視鏡の画像診断・治療の普及と内視鏡医の育成に尽力しています。

日本側は、当プロジェクトの国内協力機関6大学のうち千葉大学が内視鏡画像診断技術の研修を担当し、研修準備のため2015年8月に千葉大学大学院医学研究院消化器・腎臓内科の横須賀収教授(当時)がヤンゴンを訪問し現場を視察しました。その際同行した千葉大学医学部付属病院消化器内科杉山晴俊助教がこれまで主にミャンマー人内視鏡医の指導にあたっています。

2015年度の研修員2名はヤンゴン総合病院所属のDr. Swe Mon Myaとヤンゴン第一医科大学講師のDr. Sandar Winで、2016年8月4日にヤンゴン総合病院にて普及セミナーを開催しました。上述のとおり当該分野の専門医が少ない中、当プロジェクトの普及セミナーには17名が参加者しました。杉山助教の指導によるハンズオン・セッションを含む、大変専門性の高い充実したセミナーでした。

帰国研修員の報告として、Dr. Swe Mon Myaは千葉大学病院消化器内科の概要及び研修内容を紹介し、胆管挿入困難例への対処法について発表し、続いてDr. Sandar Winは胆管狭窄の診断について報告しました。参加者からは技術的質問の他、研修の実施方法や日本の医療保険制度、患者負担などについて多くの質疑応答がなされました。

杉山助教はハンズオン・セッションへの導入として超音波内視鏡(EUS)及び胆膵造影内視鏡(ERCP)について解説し質疑応答を行った上で、午後、EUSファントム(実習用模型)を用いた実習を行いました。2016年度の研修員候補2名にとっては貴重な準備実習となり、また、帰国研修員2名に対しては研修で修得した手技について杉山助教による確認が行われ、さらに同僚・若手への指導方法についても助言を受けることができました。

2016年度の研修員の1名はマンダレー医科大学所属のため、来年の普及セミナーはマンダレー総合病院にて実施する案も出され、研修員相互また4医科大学の間の連携が進むことが期待されます。

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普及セミナー開会式にて挨拶をするヤンゴン第一医科大学消化器科教授(中央)

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ヤンゴン総合病院内視鏡センターにて:杉山助教(中央左)と関係者

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普及セミナーのハンズオン・セッション:超音波内視鏡検査の実習用模型(EUS Phantom)を用いて