現地普及セミナーの実施

2018年7月24日

医学教育強化プロジェクトは、開始から4年目を迎えました。プロジェクトでは、臨床系における分野横断的技術として画像診断と救急医療に関する技術の向上のため、臨床系短期研修員を日本の6協力大学に派遣し、11週間に及ぶ研修を受けてもらっています。そして、帰国後、研修員は、日本で得た知識・技術を普及するためにセミナーを開催します。その活動をフォローするために日本の協力大学から研修員を指導していた先生方がミャンマーを訪れてセミナーに参加しています。今年度もすでに2017年度に研修を終えた臨床系短期研修員による現地普及セミナーが始まっていますので、終了している4分野を紹介します。

長崎大学《病理診断技術》

2月9日ヤンゴン第2医科大学、2月12日マンダレー医科大学でセミナーが行われました。長崎大学より3名の指導教員が来緬(めん:ミャンマー)し、2017年8月に開設されたクラウドを利用した病理データベース、CAMPAS(Cases for Young Myanmar Pathology Society)を実際に普及セミナーで活用してデジタル病理学が知識教育に有用であることを意識づけました。

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マンダレー医科大学学長スピーチ

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CAMPASへアクセスする参加者

【画像】ヤンゴンセミナー参加者

金沢大学《放射線科画像診断技術》

5月7日ヤンゴン総合病院、5月8日マンダレー医科大学でセミナーが行われ、放射線科医、放射線技師合わせて189名の参加があり、ミャンマー側の放射線医療への高い関心が覗われました。金沢大学より3名の指導教員が来緬し、ミャンマーの放射線医療の発展について、金沢大学とミャンマー側がプロジェクト終了を見据えた意見交換を行い、継続した連携の必要性を確認しました。

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2017年度研修員
Dr.Wah Wah Lin Maung

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Q&Aセッション

【画像】金沢大学指導教員と研修員

新潟大学《産婦人科超音波診断技術》

5月23日マンダレー中央婦人病院、5月24日ヤンゴン第2医科大学にてレクチャーおよびハンズオンセッションが行われました。ハンズオンセッションでは、実際に新潟大学の指導教員がオブザーバーとして参加し、的確な超音波診断技術指導が行われたため、参加者の真剣な表情が強く印象に残りました。2017年度研修員が参加者に指導する様子から、研修員の帰国後の超音波診断技術の大きな向上が見られており、日本での研修の効果が明確であることが確認されました。研修員の今後のさらなる活躍が期待されます。

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2016年度研修員による指導

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新潟大学指導教員によるレクチャー

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ハンズオンセッションの2017年度研修員

熊本大学《麻酔科》

6月26日マンダレー医科大学、6月27日ヤンゴン第2医科大学でセミナーが行われました。熊本大学からは3名の指導教員が来緬され、セミナー参加だけにとどまらず、マンダレー総合病院、ヤンゴン500床専門病院を訪問し、日本とミャンマーの設備及び技術的相違点を確認しました。この結果は、次の臨床系短期研修員の受入に活かされることとなります。

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2017年度研修員Q&Aセッション

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ヤンゴン医科大学麻酔科教授によるコメント

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見学したマンダレー総合病院手術室