基礎医学系長期研修員の研究論文報告会

2019年5月15日

本プロジェクトによる基礎医学系長期研修員12名は、2015年4月に来日し6大学(新潟大学、千葉大学、金沢大学、岡山大学、長崎大学、熊本大学)の博士課程に入学、2019年3月に見事に全員が博士号を取得し、ミャンマーに帰国しました。

研修員の帰国後間もない2019年4月2日、指導教官に日本から参集してもらい、ヤンゴンにて研究論文報告会を行いました。長期研修員12名、日本での指導教授等12名、岡山大学事務局3名、研修員のミャンマーでの所属先の医科大学長等57名、保健・スポーツ省保健人材局等3名、外務省、JICAを含む計101名がヤンゴンPan Pacific Hotelに集いました。

研修員は各自15分間のプレゼンテーションと10分間の質疑応答の中で、研究成果について報告しました。学位取得までの道のりは決して平坦ではなく、実験の成果が思うように得られないことや、論文が受理されるまでの地道な修正など、それぞれの研修員が困難を乗り越えてきました。発表を終えて壇上を後にした研修員の目に光る涙は、その試練を乗り越え、目標を達成した喜びを物語っていました。4年の間に学会での発表や、学位審査のための口頭試問を経験した研修員は、「帰国後の報告会にはもう不安はない」の言葉通り、それぞれが自信に満ちた素晴らしい発表を行いました。

研修員からは「自分たちが、国内の医学研究をリードしていきたい」といった抱負が力強く述べられ、ヤンゴン第1医科大学長のZaw Wai Soe氏からは「今日がミャンマーにとって医学研究の始まりの日であり、今後の研修員の活躍に期待している」と述べられました。

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日本での学びについて発表するDr. Ei Ei Mon

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質問に答えるDr. Swe Mar Oo

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日本での学びについて発表するDr. Nandar Tun

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長期研修員の研究について補足する、金沢大学、吉岡和晃講師

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活発に行われた質疑応答

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ミャンマーにおける研究の発展について、熱心な議論

基礎医学研究は、その国の保健医療の発展に大きな役割を担います。研究技術や知識を身に着けて帰国した研修員が、自国の保健医療の発展に貢献するためには、活躍の場である研究環境の整備が不可欠であるとの意見が多く挙がりました。プロジェクトでは、各研修員が帰国後に新たな研究をスムーズに始められるよう、それぞれのプロポーザルに沿って試薬や物品などの調達を支援します。また、ミャンマー政府は、研究予算の増額を決め、医学研究施設「National Skill Training, Simulation & Research Center」を建設中であることを説明しました。

6大学の各指導教授、諸関係者のご尽力に深謝しつつ、今後は、各研修員と受け入れ大学のつながり、研修員同士のつながりを維持した、自発的な研究継続に期待が寄せられます。

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帰国研修員と国立6大学指導教員

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左よりDr. Khin Thu Zar Htwe, Dr. Win Thida, Dr. Nan Nwe Win

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JICA Myanmar
唐澤 雅幸所長の挨拶