2016年10月のニュース1:吉村淳教授による「Molecular Genetics and Breeding」分野の研修

2016年10月31日

2016年10月5日〜13日の日程で、九州大学農学部吉村淳教授による「分子遺伝育種学」分野の研修が行われました。研修内容の理解には、分子遺伝学に関する基礎的な知識が必要であることから、各学科均等ではなく、この分野に関連する学科の参加者数を多くする方針で臨み、植物育種・生理・生態学科より9名、園芸・バイテク学科より1名、昆虫・動物学科より1名、植物病理学科より1名の計12名に、農業研究局からの参加者1名を加えた合計13名を対象に実施しました。
研修では、まず、QTL解析に必要な基礎知識について講義が行われ、続いて、吉村教授がベトナムで展開されてきたイネの白葉枯病抵抗性育種の遺伝学的理論と実践についての講義が行われました。そして、分子遺伝育種の事例として、イネの種子脱落性と種子サイズ、種子の含油量の遺伝解析についても講義がされました。
研修後半は、吉村教授から提供された組換え自殖系統群(RIL)を材料として、種子の長さ、幅を測定し、これらを支配する遺伝子座を特定する(QTL解析)研修を行いました。YAUにとっては初めてのQTL解析の経験で、参加者は大変興味深く研修に参加する様子が見受けられました。また、植物育種・生理・生態学科のイネ材料を利用した交配の実習研修が行われ、育種における実践的な技術習得に向けた指導が行われました。最終日には、分子遺伝育種学に関連する質問時間が設けられ、YAU教員が日頃直面している研究上の課題等について、活発な質疑応答がなされました。

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QTL解析の演習風景

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イネの交配指導