2017年2月のニュース1:安藤豊短期専門家による「気候変動と農業生産」分野の研修 を実施しました

2017年2月28日

2017年1月28日から2月12日の日程で、山形大学安藤豊名誉教授による「気候変動と農業生産」分野の研修が行われました。研修参加者は、YAUの関連する4学科(農学科3名、植物育種・生理・生態学科4名、土壌及び水科学科3名、園芸及び農業バイテク学科4名)から14名と、DOA、DARから各2名の合計18名です。講義内容は、地球温暖化の現状、地球温暖化に対する懐疑的な見方とそれに対する反論、地球温暖化の原因、温暖化ガス、農業が地球温暖化に与える影響、地球温暖化が社会に与える影響、温暖化ガス排出削減対策、温暖化ガス排出削減に対する農業面からの対策、地球温暖化が農業に与える影響と多岐にわたり行われました。講義は研修参加者の理解度を確認しながら進められ、彼らからも多くの質問が出されました。

講義に加えて、地球温暖化が農業生産に与える影響についての実験として、稲、葉物野菜を利用して2つのポット試験、1つの圃場試験を実施しました。主な目的は、これを契機に、実験に対する基本的な考え方を理解することです。具体的には、高温条件(大気温度、地温、水温等)の設定方法(他の気象条件を同一にできるか)を検討することと、実験中に起きる問題に対して的確に対処できる能力の向上を目的としました。研修参加者を3つのグループに分け、以下の3つの試験を実施しました。

試験1:温暖化が水稲の分げつに与える影響
試験2:地温上昇が葉物野菜のT/R比に与える影響
試験3:温暖化が水稲生育中期の生育に与える影響(圃場で高温条件をどのように作るか)

そして、各グループが各試験について結果をとりまとめるとともに、結果発表を行い、それに対する質疑応答を行いました。短期間の実験実習ではあったが、今後、YAUの教員が自立して研究を行うにあたって、自ら考える能力や実験中の観察がいかに重要であるかについて、具体的な試験を通して理解できたものと考えられます。

【画像】

高温処理区の設定(水田)(2017年2月9日)

【画像】

実験結果の報告、検討会(2017年2月10日)