2017年3月のニュース3:豊田剛己短期専門家による「分析化学」分野の研修

2017年3月31日

3月18日〜31日の日程で、東京農工大学豊田剛己教授による「化学分析と土壌微生物学」分野の研修が行われた。昨年、8月に既に第1回の研修が行われており、今回は、それに続く研修で、ガスクロマトグラフ、UV-Spectrophotometerの操作方法のマスターと調査結果の解析に重きを置いた研修となった。研修には、農学科、育種・生理・生態学科、土壌と水科学科、植物病理学科、昆虫及び動物学科、園芸及び農業バイテク学科から合計14名と昆虫及び動物学科の5名のオブザーバーが参加した。研修生は、継続性を考え、前回の受講生の受講を各学科にお願いしたが、他の研修プログラムとの関係で継続して受講したのは約半数であった。

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ガスクロマトグラフによるメタンの分析(3月22日)

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UV-Spectrophotometerによるリン酸分析(3月27日)

研修では、まず、分析予定の土壌呼吸、酵素活性、メタン発生量と関連する土壌微生物活性に関する講義に加えて、関連する実験計画法についての講義が行われた。そして、YAU水田及び畑圃場とマグウェイの畑土壌について、土壌の種類や水田と畑による土壌管理の差異による呼吸活性および酵素活性の差異と、さらにメタン発生量の経日変化の測定がFID-GC, TCD-GCを使用して行われた。実験に当たっては、参加者を数人の小グループに分け、それぞれの参加者が確実に機器類の操作に当たるように配慮された。GC使用によるガス類の分析の他に、土壌肥沃度の指標として重要であるリン酸の定量法についての研修が行われた。この研修では、試薬の扱い方、分析用試薬の作成、標準曲線の作成方法など、UV-Spectrophotometer使用による分析方法の詳細について研修が行われた。得られた結果は発表会で報告され、その中で図表の作成方法や統計解析の方法についての指導がなされた。これらの研修を通じて、参加者は機器の操作方法をマスターするとともに、測定結果の解析方法についても理解を深めることができた。