2017年11月のニュース7:Pilot Researchの実施

2017年11月30日

Pilot Research研究グループによる以下の野外調査と室内実験が行われた。

1)野外調査

  • 11月1-2、18-19日:NPT特別区において、リョクトウの圃場調査を行った(RB01-3)。
  • 11月5、11、18、26日:Nay Pyi Taw特別区のZeya Thiri, Pobba Thiri, Pyinmana, Dekhina Thiri, Ottaya Thiri 各TSに設置したトラップからの水稲害虫の回収と昆虫網による害虫の採集を行った(RB-03-1)。
  • 11月6-7日:東Bago県、Bago TS, Thanapin TS, Kawa TS, Taunggoo TSにおいて、農家予備調査を行った(CR-07)。
  • 11月6-10、18、28-30日:Yangon県Thonegawa TSにおいて、マメ類の栽培調査(栽培準備と播種)の調査を行った(RB-01-1-1)。
  • 11月13-17日:西Bago県、Pyay TSにおいて、農家予備調査を行った(CR-07)。
  • 11月17日:Mandalay県、Kyaukse TSにおいて、来年度のマンゴー収穫期に向けて栽培管理を開始した(CR02-1)。
  • 11月20-27日:Magway県、Aunglan TSにおいて、ゴマのサプライチェーン調査を行った(CR01-2)。
  • 11月22-23日:東Bago県のThanapin TSの深水地帯において、現地で行われている特殊な移植栽培(茎切除移植)水稲の生育調査とインタビュー調査を行った(CR-04)。
  • 11月22-24日:Sagain県、Shwebo TS並びにMandalay市において農家予備調査を行った(CR-07)。

2)圃場・室内実験

  • RA-01-1-1(Plant Breeding, Physiology and Ecologyグループ)では、収穫した合計約100品種・系統の農業形質、成長形質、炊飯特性などの調査とデータ入力が終了し、データ解析、論文作成に取りかかる予定である。
  • RA-01-1-2(Agronomyグループ)では、収穫した合計約100品種・系統のうち、改良品種約50品種、ローカル品種27品種の収量構成要素の調査が終了し、玄米品質(アミロース含量の測定)の調査を実施している(約90%終了)。
  • RA-01-2(Soil and Water Scienceグループ)では、RA-01-1グループが収穫した種子の分譲を受け、品種・系統の幼苗期耐塩性スクリーニングを継続して行っている。また、分げつ期の耐塩性スクリーニングの準備を開始した。
  • RA-02-1(Plant Pathologyグループ)では、Nay Pyi Taw特別区のZeya ThiriおよびPyinmana TSの水田から採集したイネの主要病害であるイモチ病菌、白葉枯病菌の培養、菌株標本の作製を継続実施している。また、RA-01-1グループが収穫した水稲94品種・系統の耐病性検定のための栽培を行っている。
  • RA-02-2(Entomology and Zoologyグループ)では、RA-01-1グループの収穫した水稲93品種・系統について、メイチュウ(Yellow stem borer)耐性検定を水田とポットで行っているが、水田は10月の大雨、ダムの放水により冠水し、実験が行えない状態となっている。ポット栽培の品種・系統を用いて検定を行っている。
  • RB-01-1-1 (Agronomyグループ)では、Pyinmana TSとYangonのThonegwa TSでグリーングラム試験区の整地と播種を行い、さらにYangonのThonegwa TSでは、圃場の管理に関するデータ収集を行った。
  • RB01-2(Soil and Water Scienceグループ)では、採集した80土壌サンプルのN, P, K測定に向けての分解とKの分析が終了した。
  • RB-03-1(Entomology and Zoologyグループ)では、害虫警戒警報モデル作成に向けて、Nay Pyi Taw特別区に新たに設置した害虫トラップや捕虫網で採集した害虫の同定と個体数の調査を継続している。
  • RC-01-1(Agronomy)グループでは、収集したデータの入力、解析並びに論文準備を進めている。
  • RC-02-2(Plant Pathologyグループ)では、採集したマンゴー果実からの病原菌の培養を継続している。
  • CR-04(Plant Breeding, Physiology and Ecologyグループ)では、Bago県Thanapine TSの深水地帯の特殊な移植方法についての調査結果を基に論文の作成を継続している。また、YAUのBreeding圃場のポンドで水位調整をして3ヶ月栽培した水稲4品種の移植時の苗の茎切断位置と生育・収量との関係に関する研究を継続実施している。

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農家圃場からの採集土壌の分解(RB01-2 group)

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水稲約100品種・系統のYellow Stem Borer耐性品種の選抜(RA02-2 group)