第6回JCCの開催

2019年3月14日

2019年3月14日、ネピドーのミャンマー郵便本社において、本プロジェクトで最後となる第6回合同調整委員会(JCC)が開催されました。当日は、日本側とミャンマー側を合わせて21名が出席しました。

プロジェクト内で活動してきた4つの分科会(輸送ネットワーク、集配作業、局内作業、経営計画)について、各分科会リーダーとJICA専門家がこれまでの活動と成果の報告を行いました。

分科会ごとの主な報告内容は以下の通りです。

輸送ネットワーク分科会

輸送ネットワークの見直し計画の導入と計3回に渡る輸送担当者研修を通じ、輸送ネットワークの改善を行ってきました。特に結束相関図の作成方法の研修を通じて、『結束(注1)』の重要性が理解されました。結果として、161局間の送達日数の短縮と送達率の向上という目標を達成しました。

集配作業分科会

配達業務を効率化するための配達資料(配達原簿と配達地図)(注2)が、ヤンゴンのチャウタダ地区とヤンキン地区において完成しました。配達員向けの朝ミーティングでは、配達の重要さや車両点検に対する意識が高まった他、配達時の接遇の向上に努めました。また、ヤンゴンとネピドーの区分センターに導入した郵袋運搬用のロールパレットによって、局内作業時間が短縮されました。

局内作業分科会

ネピドー、ヤンゴン、マンダレーの住所と郵便番号を紐づけた郵便番号帳を作成し、全国の郵便局に配備しました。そして、郵便番号普及ポスター・カレンダーを制作し、お客さまに対して郵便番号の記載を勧奨しました。結果として、郵便番号の記載率が大幅に向上しました。このような郵便番号普及施策に加えて、窓口担当者向け朝ミーティングを通じた接遇訓練と局内における4S(整理・整頓・清潔・清掃)を実施したことで、ミャンマー郵便への顧客満足度が向上しました。

経営計画分科会

ミャンマー郵便の経営数字、人事制度、事業領域などを分析し、ミャンマー郵便の中長期計画(案)と新規事業プラン(案)を提出しました。第6回JCCの時点では、ミャンマー郵便の経営は順調に回復しています。

【画像】

各分科会リーダーが活動成果を報告しました

【画像】

各分科会リーダーが活動成果を報告しました

ミャンマー郵便総裁からは、「このプロジェクトでは、新しいことを学ぶことができて感謝している。特に輸送ネットワーク分科会では、『結束』という新しい考え方を教えてもらった。JICAの各専門家には感謝している。専門家からのアドバイスの中で実施できるものを実施していきたい。このプロジェクトの実施に際し、JICA、総務省、日本郵便に感謝したい。」と発言がありました。

3年間に渡った本プロジェクトも、ついに最後の第6回JCCが終了しました。JICA専門家は、これまでミャンマー郵便と様々な議論を重ね、現地指導や研修を行ってきました。最後のJCCにおいて、同総裁から今までの活動に対する高い評価と感謝の言葉を得ることができたのは、ミャンマー郵便職員一人一人の尽力の賜物です。

日本から学んだ、朝ミーティング、接遇訓練、配達資料作成は、今後ミャンマー郵便の研修に取り入れられ、順次全国展開される計画です。本プロジェクトで導入されたサービス改善の手法・取組がミャンマー郵便において活用され、ミャンマー郵便が更に発展していくことをJICA専門家一同願っています。

(注1)結束とは、「お客さまにあらかじめ約束した配達日数内の配達を実現するために、輸送便の出発・到着時刻に間に合うよう、局内における各作業の手順、締切時刻を明確に設定し、遵守徹底すること」です。結束を確保することは、郵便サービスの使命でもあります。

(注2)配達原簿とは配達ルートに沿って建物名や居住者の住所、氏名等を列記した住所一覧であり、配達地図とは建物の所在地・番地を記載した地図のことです。ともに、配達を効率的に行うための基礎資料です。