プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)バゴー地域西部灌漑農業収益向上プロジェクト
(英)Project for Profitable Irrigated Agriculture in Western Bago Region

対象国名

ミャンマー連邦共和国

署名日(実施合意)

2015年10月26日

対象地域

バゴー地域西部ピィ郡、タヤワディ郡の4灌漑地区(87,596ヘクタール、農家人口116,738人)。

プロジェクト事務所の所在地

ピー市農業局バゴー地域西部事務所内

協力期間

2016年3月から2021年3月

相手国機関名

農業畜産灌漑省、農業局、灌漑・水利用管理局

背景

ミャンマー連邦共和国(以下、「ミャンマー」という。)の農業セクターは、GDPの34.7%(2011〜12年度、農林畜産合計)、輸出の16.4%(同)、就業人口の61.2%(同)を占める重要産業である。また、ミャンマー農業セクターは高い開発ポテンシャルを持ち、耕地面積約1,225万ヘクタール(日本の2.7倍)、水資源年間1082立方キロメートル(日本の2.6倍)を有する(2011〜12年度、ミャンマー政府統計)。
しかし、ミャンマーでは低い灌漑率、低い生産性により農業開発のポテンシャルが生かされていない。ミャンマーの灌漑面積は、作付面積の15.9%(2012〜13年度、農業灌漑省統計)であり、周辺ASEAN諸国のタイ27%、ベトナム32%(基礎情報収集確認調査)に比べ低く、既存灌漑施設の老朽化により減少している。また、ミャンマーの農家経営は、安価な労働力に頼った資本粗放的経営であり、生産性が低い。
これら課題に対処するため、JICAは、円借款「バゴー地域西部灌漑開発事業」(2014年9月借款契約調印)にて、少雨かつ灌漑率の低いバゴー地域西部で、灌漑施設の整備・改修並びに農業機械等の整備を行う事業を実施中だが、円借款事業の効果増大のためには、同灌漑地域の営農上の課題(認証種子の未利用、籾品質のばらつき、安値での籾販売、田越灌漑による肥料の流亡など肥料・農薬等の非効率的な投入、劣化した豆種子の利用、機械化の遅れ、三次水路の未整備・非効率な水管理慣行等)及び灌漑施設の維持管理上の課題(維持管理における農家の非関与による施設の劣化等)に取り組む必要がある。
8万7千ヘクタールの広大な円借款事業地域を対象に、限られた政府予算のもと農業普及を行うためには、民間企業と農家の営利活動を通じて広まる収益性の高い営農モデルを構築し、効率的な普及方法を確立する必要がある。例えば、質の均一な認証種子の供給、農家の生産する均一な籾の精米業者による高値での買い取り、低い破砕米率の米の市場での高値販売という好循環を作り出すことができれば、この取り組みは営利活動を通じて波及することが期待される。コメ生産・販売上の課題は、農家の生産する不均一な籾品質による精米段階での破砕米率の上昇である。このため精米業者は、市場に安値で販売せざるを得ず農家からの買い取り価格も安くなる一方で、農家は、均一な籾を生産しても一戸ではロットが小さく精米業者に高値で買い取ってもらえない、あるいは、種籾の品質が不均一なため生産される籾の品質には限界がある等の悪循環に直面している。
上述の好循環を創造するためには、農家への技術普及を担う農業灌漑省農業局だけでなく、精米業者・流通業者、種子企業・農家、農家等の関係者間の調整を行いうるミャンマー米協会等の能力強化が求められる。
また、灌漑施設の維持管理向上には、灌漑施設管理や用水配分管理など制度の見直しが求められる。現状、灌漑施設の維持管理に農家の関与が得られていないため、支線水路の雑草処理等まで予算措置を講じる必要がある。限られた予算の下、頭首工や一次水路等の維持管理を優先せざるを得ず、結果として、支線水路の劣化が進み灌漑面積の縮小につながっている。雑草処理など維持管理への農家の参画を促すためには、用水配分管理の改善により農家への裨益を向上させ、負担と裨益をバランスさせる必要がある。
本プロジェクトは、これら取り組みにより農家経営単位の収益性を向上させた「民間企業活動を組み込んだ収益性の高い農業モデル」を構築することを目的とする。

目標

上位目標

対象地域の農業収益性が向上する。

プロジェクト目標

灌漑農業による民間企業活動を組み込んだ収益性の高い農業モデルが構築される。

成果

成果1:公的機関−民間企業−生産者(農家)間の連係が強化される。
成果2:モデル農家の収益性が向上される。
成果3:対象地域において、参加型水管理にかかる指針が整備、運用される。

投入

日本側投入

専門家派遣 148M/M(総括/市場流通、官民連携、営農、農業機械、灌漑政策等)、ローカルコンサルタント 67M/M
本邦研修 必要に応じて実施
現地国内研修 必要に応じて実施
供与機材 種子選別機、豆脱穀・選別機等

相手国側投入

カウンターパート配置、執務室、プロジェクト活動実施に必要な維持管理費等