ミャンマーにおける知的財産に関する法律の成立

2019年6月3日

ミャンマーでは、長らく続いた軍政から民主化を果たし、近年はさらなる経済発展のための投資環境整備の一環として、知的財産に関する法律(商標法・意匠法・特許法・著作権法)の制定、その登録実務を担う知的財産庁の設立に向けて準備が進められてきました。

ミャンマー政府の熱意が実り2019年1月30日に商標法と意匠法が成立、続いて3月11日には特許法が、さらに、5月24日には著作権法が成立しました。これにより、現在まで存在していなかった商標・意匠・特許の登録を定める法律がミャンマーで制定されたとともに、著作権法が100年以上ぶりに改正され、国際的な基準を満たした知的財産法制が整備されました。

各法の施行日は、知的財産庁の設立準備に合わせて今後定めるとの方針であるため、現段階では確定しておりません。また、今後は、知的財産に関する所管が教育省から商業省に移り、まずは知的財産庁設立を経る予定ですが、円滑な知的財産庁設立と法律施行が求められます。各法の施行規則については教育省にて現在検討中であり、国際的に遜色のない制度にするとともに、出願や審査を初めて行うミャンマー政府や企業にとっても適切に機能する制度とすることが期待されています。

多くのミャンマー国民にとって知的財産制度はなじみがありません。そのため、ミャンマー政府も、知的財産制度導入にあたっては普及啓発が重要であることをよく理解しています。商標法・意匠法の成立日の夜半には、国営放送で「商標法・意匠法成立」との速報テロップが流れ、知的財産制度に対する政府の意気込みをうかがうことができます。また、模倣品・海賊版が氾濫するミャンマーにおいて、知的財産権を侵害者からいかに守るかは、制度の根幹に関わる重要事項です。今後は、税関・警察・裁判所等の関係省庁との連携を密に行うことが欠かせません。

他のASEAN諸国同様、ミャンマーでも知的財産制度を整備することで、外国からの投資が増え、国内の雇用を創出し、将来的に同国の競争力強化にもつながることが期待されます。
ミャンマーの未来を担う制度の創設、そして、適切な知的財産行政を通じた持続的な社会・経済の発展が達成されるよう、教育省内の各知的財産法グループの職員と協同しながら、引き続きJICAは同国での知的財産行政の強化を支援していきます。

【画像】

商標グループ・著作権グループの皆様(前方中央はJICA専門家)

【画像】

意匠グループの皆様

【画像】

特許グループ・総務グループの皆様