メディカルエンジニア第1期生が卒業

2019年4月8日

ミャンマー初のメディカルエンジニアを育成する1年のディプロマコースを修了した第1期生18名全員が、4月8日、ヤンゴン医療技術大学(UMT-Y)にて卒業の日を迎えました。修了証授与式には、ミャンマーからは保健・スポーツ省やUMT-Yから、日本からは公益社団法人日本臨床工学技士会(JACE)及び一般財団法人臨床工学国際推進財団などから関係者が出席し、卒業生たちの門出を祝いました。卒業生たちは誇らしげな様子で講師らと記念撮影をしながらお互いに喜びを分かち合いました。

本コースは、講義と実習(学内および病院で実施)で構成されています。講義では、UMT-Yの講師が応用数学や物理学などの基礎科目、日本からの派遣講師が医用電気工学や生体計測装置学などの工学系・医工学系科目の授業を実施しました。
約600時間の学内実習では、日本国内の病院で医療機器の保守・管理を行っている臨床工学技士が、実際に医療機器を使用しながら理論と実践を結びつけたトレーニングを行い、受講生の実践的能力を培いました。また、複数の日本医療機器メーカーやその代理店が、大学への無償機材持込みや病院見学を通して本コースに協力しました。
コースの総まとめとして、保健・スポーツ省協力の下、1ヶ月超に渡る病院実習を実施し、受講生たちは実践的な環境下で医療機器の保守・管理を学びました。実習時間を追加してほしいとの声が上がる程、受講生たちは非常に熱心に取り組んでいました。

【画像】修了証授与式(両国の関係者が一堂に集合)

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講義風景

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学内実習の様子(透析装置ろ過に関する実験)

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病院実習の様子(病棟を回る前に1日のスケジュールを確認)

今後、卒業生たちは、ミャンマー初のメディカルエンジニアとして総合病院等に配属される予定です。一方で、ミャンマー国内におけるメディカルエンジニアの認知度はまだ低く、「メディカルエンジニアとは何をする職業なのか」という疑問を抱いている病院関係者が大多数です。
そのため、医療現場で活躍しながらメディカルエンジニアの仕事の目的や内容を周知していくことも、卒業生たちの大切なミッションです。その働きをサポートするため、ミャンマー政府と協力しながら、政府関係者や病院従事者を集めた啓発セミナーの実施を計画しています。

本年6月からは、第2期生のディプロマコースを開始する予定です。これからも、ミャンマーのニーズを考慮しながら、コースの内容を発展させ、より充実したものになるよう引き続き取り組みます。また、卒業生の知識や技術の継続的な向上を目指し、ミャンマーと日本の合同チームを結成し、継続的な医学教育の機会を提供できるよう、支援を続けていきます。