(1)当該国における金融セクター現状と課題
ミャンマー政府は、経済分野の開発目標として市場経済化や投資促進を掲げ、金融規制緩和や証券取引市場の開設等、金融セクターの近代化に向けた準備を進めているが、金融市場の発展を支える情報通信技術(ICT)システムの整備が非常に遅れている。中央銀行の本支店間及び市中銀行との間での資金決済及び口座管理、国債の登録管理業務の多くが手作業での処理に頼っており、業務効率の低さに加え、セキュリティ保護やデータ管理が適切にされていない点が問題となっている。今後、社会経済開発の進展に伴って、国内企業の資金需要の増加、諸外国からの投資の活発化、更に個人の銀行利用の普…