プロジェクト概要
プロジェクト名
(和)児童中心型教育強化プロジェクトフェーズ2
対象国名
ミャンマー
プロジェクトサイト
ミャンマー全土(パイロットタウンシップ27箇所)
署名日(実施合意)
2008年4月1日
協力期間
2008年9月19日から2012年3月18日
相手国機関名
(和)教育省教育訓練計画局
背景
JICAは1997年から、ミ国の基礎教育の質の向上への支援を継続的に実施している。1997年から1999年にかけて個別専門家「基礎教育カリキュラム改善」を教育省に派遣し、1)理科の復活、2)地理及び歴史の社会科への統合、3)総合学習の新規導入に関する提言を行った。教育省はこれらの提言を受け、2000年に初等教育カリキュラムを改訂している。また、教育省が目指すCCA導入のために、2001年から2004年まで開発調査「基礎教育改善計画調査(MBESS:Myanmar Basic Education Sector Study)」を実施し、(1)CCAを導入・普及するための教員用指導書の開発(理科、社会科、総合学習)、(2)教員養成大学(EC:Education College)の強化方策の提案、(3)小学校整備計画の策定、等の活動を行った。さらに、2004年から2007年にはCCAを実際に学校現場に普及するためのパイロットプロジェクトとして、技術協力プロジェクト「児童中心型教育強化プロジェクト(SCCA:the Project for Strengthening Child-Centered Approach)」を実施し、(1)カスケード方式による現職教員研修の導入、(2)学校やクラスターで教員が自主的に学び合う自主研修制度の導入、(3)ECの学生にCCAの概念を導入するための研修モジュールの開発、(4)CCAの観点に立った評価方法の開発、等の活動を行った。総じて、SCCAフェーズ1では、試行的にCCAの現職教員研修を導入する上で一定の成果を達成したと言える。しかし、比較的に短期間においてミ国独自の力によるCCAの全国普及を実現するためには、上記のモデルを更に発展・改善し、CCA普及のスピードの向上並びに低い研修コストでの効果・効率的なCCA現職教員研修の実施が求められている。また、カウンターパート機関である教育計画訓練局(DEPT:Department of Education Planning and Training)は、新たな教科の教員用指導書の作成を強く要望しており、特に算数の教師用指導書作成のニーズが高い。
以上のような背景から、ミ国政府は2007年8月に上記技術協力プロジェクトの後継案件である本案件の実施を要請した。
目標
上位目標:
2015年までにミャンマー全国の90%の小学校にCCAが普及する。
プロジェクト目標:
教育省がCCAを全国規模で普及していくための仕組みが確立する。
成果
- CCA全国普及のための教員養成体制が強化される。
- CCA全国普及のための現職教員研修体制が確立する。
- 自主研修活動(クラスターミーティング、学校ミーティング)を通して授業改善を継続していくための仕組みが確立する。
- 算数の教員用指導書および普及研修用教材が開発される。
活動
- 1-1
- フェーズ1で改訂されたCCAに関するモジュールをECで導入するための活動をEC教官に対して実施する。
- 1-2
- 基礎教育リソース開発センター(BERDC: Basic Education Resource Development Center)が、ECにおける改訂モジュールの導入・インパクトをモニタリングする。
- 1-3
- プロジェクトが、EC教官が学生中心の授業を行うための能力を強化する研修を行う。
- 1-4
- 1-2のモニタリング結果を受けて、教員養成課程においてCCAがより学生に定着するための活動の実施を検討・実施する。
- 2-1
- 授業実践を評価する授業実践評価ツールを開発する。
- 2-2
- フェーズ1対象タウンシップ(24タウンシップ)に対し、フォローアップ研修(授業実践能力向上、授業評価方法導入)を実施する。
- 2-3
- フェーズ1で開発されたCCA導入研修とフォローアップ研修を組み合わせた、新規タウンシップでの研修パッケージを開発する。
- 2-4
- BERDCがEC教官に対してCCAマスタートレーナー研修を行う。
- 2-5
- フェーズ2対象タウンシップ(40タウンシップ)において、EC教官(マスタートレーナー)が、クラスタートレーナーに対しタウンシップ研修を実施する。
- 2-6
- フェーズ2対象タウンシップにおいて、クラスタートレーナーが小学校教師研修を行う。
- 2-7
- タウンシップ教育事務所所長(TEO:Township Education Officer)及び補佐官(ATEO: Assistant Township Education Officer)が、小学校教員に対する研修を運営管理し、活動実践をモニタリングする。
- 2-8
- CCAを普及するための継続的な現職教員研修制度を提言する。
- 3-1
- BERDCとSEO/DEOが協力し、学校管理者研修を実施する。
- 3-2
- 自主研修活動が適切に実施されるための、モニタリングの仕組みを開発する。
- 3-3
- BERDCが、自主研修活動で活用できる教材を定期的に開発・配布する。
- 4-1
- CCAの観点に立った算数指導法を開発する。
- 4-2
- 近隣の小学校における模擬授業を元に、授業案を作成する。
- 4-3
- 算数指導書の印刷を行う。
- 4-4
- 算数指導書を普及するための研修教材を開発する。
- 4-5
- BERDCがEC教官に対して、算数指導書およびCCAに基づく算数指導法にかかるマスタートレーナー研修を行う。
- 4-6
- フェーズ1及び2対象タウンシップの教師が、クラスターミーティングで活用できる、算数指導書およびCCAに基づく算数指導法に関する教材を開発、配布する。
投入
日本側投入:
- 専門家10名約100M/M程度
- 在外事業強化費:約60,000千円
相手国側投入:
- カウンターパート配置
- 執務室
- パイロットプロジェクト実施にかかる費用(コストシェア)
事前事業評価表
(PDF/215KB)