コミュニティ防災セミナーの開催

2015年8月22日

地すべり危険地域において、8月22日、コミュニティ防災セミナーを開催しました。ネパール人の多くは山地の斜面沿いに居住していることから、地すべりはネパールで最もよく知られた自然災害の一つであり、ネパール人は地すべりのリスクとともに生活していると言っても過言ではありません。しかし、ネパールには早期警戒システムなどの地すべり対策が浸透していないことから、住民の命を守るためにも防災意識の啓発やコミュニティ自身によるリスク管理が必要です。
JICAプロジェクトチームは水資源省治水砂防局(DWIDP)との協働により、村のリーダーや学校の先生を含む50名以上の村人の参加を得て、シンドパルチョーク郡シャウレVDCのケラバリ村でコミュニティ防災セミナーを開催しました。
対象となったケラバリ村は、2015年4月25日のネパール地震で発生した地すべりにより、数名の村人を失いました。その後、地すべりの下にあった集落は自主的に近所の安全な地域に移動しています。
このような背景を持つケラバリ村に対し、国土交通省から派遣された地すべり調査団とJICAプロジェクトチームは、今後の地すべりを早期に感知し、迅速な避難を行うため、山頂に観測機器を設置することを提言しました。セミナーでは地すべりの基本知識の説明と共に、簡易雨量計・傾斜計・伸縮計を設置し、コミュニティ自身の観測による自主避難と地方自治体への通報について理解を深めました。この第一回目のセミナーをパイロットケースとして、早期警戒システム関係機関とともに実施方法や内容が修正され、今後、ネパールの持続可能な活動になることが期待されます。

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地滑りやハザードマップの講義風景

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簡易雨量計のデモンストレーション

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簡易傾斜計と伸縮計の作成・設置風景