女性たちが村の生計回復を担う-ゴルカ郡バルパック村の女性組合の活躍-

2018年2月19日

2015年4月の震災で特に大きな被害を受けたゴルカ郡バルパック村では、多くの人々が家屋の倒壊等により収入源であったヤギなどの家畜を失ったほか、地滑りなどによる畑の被害を受けました。また、震災後の数ヶ月間で女性への暴力の報告件数が増加し、収入機会の情報が女性たちに伝達されない等の差別的待遇が発生していました。

一方で、出稼ぎなどで多くの男性が村を離れる同村では、女性たちが復興の主な担い手です。そこで、プロジェクトでは、ゴルカ郡女性子供局などと協力し、2016年11月から女性組合形成と組合員によるヤギ飼育と野菜栽培の技術支援を行い、女性たちが自らの社会参画を積極的に推進する基盤となる組織を整備することを目指してきました。

活動開始から1年以上経った2018年1月24日、プロジェクト支援も終了を迎えるにあたり、女性組合のメンバーや行政の関係者などが参加して、プロジェクト活動のまとめを共有するワークショップが開催されました。

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会場に集まった女性組合メンバー

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発表する女性組合メンバー

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発表する女性組合メンバー

会場は震災後に建てられた、バルパック村のゲストハウスの集会所。山のふもとまで雪が降るほど冷え込んだ朝でしたが、30人以上の女性たちが笑顔で集まってきました。ワークショップでは、女性の代表者たちが、それぞれこれまでの活動を振り返りました。「野菜作りを始めて、栄養が改善された」「女性組合で作った基金で、組合メンバーの小規模ビジネスや住宅再建を始めている」、「女性組合の活動を始めてから、家庭内で暴力を受けることがなくなった」、など明るい話題がでてきました。一方で、女性たちは、ヤギの飼育、野菜栽培に加え、組合の運営についても、まだまだ経験が不足していることも指摘していました。これから一つ一つの課題に行政関係者と連携して取り組み、解決していくことが期待されます。

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女性組合の基金で再建されている住宅

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生まれた子ヤギ

ワークショップのプログラムが終わり、昼食をとっていた時のことです。女性組合メンバーの一人が、「被災してつらい思いをしたけれど、幸運なこともありました。それは、JICAの皆さんと出会えたこと、組合を結成し生計活動を開始することができたことです。」と、しっかり目を見開いて語っていました。

女性たちの復興の取り組みは、力強く、続いていきます。

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女性たちからの声を踏まえて、行政関係者からも支援の意向表明がありました。

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ワークショップを終えての記念撮影