プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)ネパール国調査分析能力の強化を通じた地方行政研修の質向上プロジェクト
(英)The Project for Improving Local Governance Training through Capacity Enhancement on Research and Analysis

対象国名

ネパール

署名日(実施合意)

2015年9月16日

プロジェクトサイト

地方行政研修学院(LDTA)と地方パイロット研修センター3か所(ポカラ都市開発研修センター、ジャパ農村開発研修センター、スルケット女性開発研修センター)

協力期間

2016年1月11日から2020年1月10日

相手国機関名

(和)ネパール国連邦制・地方開発省、地方行政研修学院
(英)Ministry of Federal Affairs and Local Development, Local Development Training Academy

背景

ネパールでは、1999年には地方自治法が制定され、中央から地方への行政事務・権限の委譲を念頭に、連邦制・地方開発省を含む地方自治の枠組みや地方自治体が有する事務・権限が規定されました。しかし、1996年から2006年まで続いた紛争後、民主主義に基づく連邦共和制への移行の中で、1997年を最後に地方選挙が実施されていません。ネパール政府は地方議会が成立するまでの暫定期間として、連邦・地方開発省から配属された郡開発官を中心とした地方行政運営を行っていますが、地方議会の不在により分権化が進んでいないことからも、開発事業や行政サービス提供が非効率なものとなっています。

このような状況下で、「効果的な(行政)サービス提供」を地方行政のプロセスに内在化させることを目標として、ネパール国ガバナンスセクターの国家プログラムである「ローカルガバナンス/コミュニティ開発プログラム(Local Governance and Community Development Programme: LGGDP)」が設計されました。このプログラムは、連邦制・地方開発省が執行母体となり、郡開発委員会(District Development Committees:DDCs)、市(Municipalities)、村開発委員会(Village Development Committees:VDCs)等の地方行政体を実施主体として、地方行政体への交付金配分とコミュニティ主導の開発プロジェクトの形成等を通じて、地方行政強化を推進しています。プログラムが開始されたのは2008年ですが、2013年~17年にかけてフェーズ2が展開中です。LGCDPフェーズ2(以下、LGCDP II)の活動が進む中で、サービスの提供側(供給サイド)と受け手側(需要者サイド)双方の能力強化が不可欠であることが、連邦制・地方開発省とLGCDP IIを支援する開発パートナーの間で認識されるに至りました。地方行政に携わる人材の研修二一ズヘの対応は、「地方開発研修学院法2049(LDTA Act)(1993年)」にて設置されている地方開発研修学院(Local Development Training Academy:LDTA)がその任を担っており、地方行政体の能力開発と能力向上プログラムの実施を国レベルで行う唯一の機関として、LGCDP IIへの積極的な関与と貢献が求められています。しかし、LDTAは従来、外部雇用の講師等に頼る研修実施や、研修センターの場所貸し的な運営に頼ってきた結果、「地方開発研修学院法2049」が規定する、(1)調査研究を実施し、(2)得られた結果を質の高い研修実施に反映させ、(3)その後の研修実施をより豊かなものにするために知見を蓄積する、という本来求められている機能を提供できていません。ネパール全土の地方行政体の能力向上に貢献するという、LGCDP IIの要件を満たしつつ、「地方開発学院法2049」が規定する学院に進化するためには、これまでないがしろにされてきた、研修実施に先行する調査(アクション・リサーチ)と、研修を振り返っての分析結果(ナレッジ)を次の研修計画に役立てるサイクルを組織運営の中枢に据えることが肝要です。このような背景から、本事業では、「地方開発研修学院法2049」が求めている「アクション・リサーチに基づく研修学院」の具現化への技術支援を通じて、ネパール国の地方行政能力開発ニーズに貢献することを目指しています。

目標

スーパーゴール

地方行政体の人材の能力が、LDTAが監修する能力開発研修プログラムヘの参加によって向上する。

上位目標

LDTAが地方行政分野で主導的な機関になる。

プロジェクト目標

LDTA(カトマンズ本部)ならびに地方開発研修センターに、アクション・リサーチと結果分析に根付いた質の高い研修を地方行政体の人材に提供するための包括的な研修提供メカニズムが構築される。

成果

【成果1】研修の計画プロセスで調査・分析能力が強化される。

【成果2】研修モジュール(カリキュラムと教材)の開発能力が強化される。

【成果3】研修実施と評価の能力が向上する。

【成果4】地方行政に関する研修の知見の蓄積、共有、活用のための仕組みが構築される。

活動

成果1に係る活動

1) 研修ニーズを整理・分析する
2) 開発すべき研修モジュールの課題を選ぶ
3) 上記課題のレビューと分析を行う
4) 各センターで調査計画を準備する
5) 計画に基づき現地調査を実施する
6) 現地調査結果を分析する
7) ニーズアセスメント・調査マニュアルを作成する

成果2に係る活動

1) 研修モジュール(カリキュラムと教材)を計画する
2) 研修モジュール(カリキュラムと教材)を開発する
3) 開発した研修モジュールの効果を現場実証する
4) 研修モジュールを評価する
5) 研修モジュールを完成させる
6) 研修モジュール開発マニュアルを作成する
7) 研修コースガイドを作成する

成果3に係る活動

1) 研修実施の計画とスケジュールを作成する
2) 計画に基づき研修を実施する
3) 実施した研修を評価する
4) 実施した研修の報告書を作成する
5) 研修運営マニュアルを作成する

成果4に係る活動

1) 広報活動を実施する
2) ナレッジマネジメントワークショップを実施する
3) 第3国研修を実施する
4) 本邦研修を実施する
5) インターンシップを実施する
6) 地方行政の人材育成に関する知見共有・ネットワークための合同セミナーを開催する
7) ナレッジマネジメントマニュアルを作成する

本事業の受益者(ターゲットグループ)

1) 直接受益者:LDTAおよびパイロット研修センターの技術職員
2) 間接受益者:地方自治体職員

投入

日本側投入

専門家派遣(総括/地域保健、業務調整/研修計画、他)
研修受入(本邦研修、第三国研修、第3国におけるインターン派遣(必要に応じ))
機材供与

相手国側投入

LDTAおよびパイロット研修センターにおけるカウンター・パート(主に技術職員)の配置
プロジェクト事務所スペースと事務所備品の提供