第一回ILS維持管理能力向上研修の開催

2018年11月7日

航空機を安全に滑走路に誘導する方法として、計器着陸装置(Instrument Landing System:ILS)を用いて電波を発射し、滑走路への進入コースを指示する方法が国際空港で標準とされています。現在JICAの無償資金協力によって、首都カトマンズのトリブバン国際空港(Tribhuvan International Airport:TIA)に、ILSの構成機材の一つであるローカライザーが初めて導入される予定です。このような背景から、本技術協力プロジェクトでは、ローカライザーの導入に先立ち、ローカライザーの原理・理論や基本的な維持管理を学ぶことを目的に本邦研修を開催しました。

研修の日程は下表の通りです。

10/29(月)
【研修内容】航空保安大学校の概要及び訓練施設見学
【場所】航空保安大学校(大阪府泉佐野市)

10/30(火)10/31(水)11/1(木)
【研修内容】ローカライザーの動作原理・維持管理についての講義及び実習
【場所】航空保安大学校(大阪府泉佐野市)

11/2(金)
【研修内容】飛行検査についての講義・施設見学
【場所】飛行検査センター(中部国際空港)

11/5(月)
【研修内容】航空局の概要、衛星航法補強システム・地上型衛星航法補強システムの概要
【場所】国土交通省航空局(東京)

11/5(月)
【研修内容】NEC工場見学
【場所】NEC府中事業場

11/6(火)
【研修内容】ILSの運用現場見学
【場所】東京空港事務所(羽田空港)

11/7(水)
【研修内容】研修員による研修成果の発表
【場所】JICA本部

行程前半は、航空保安大学校での研修です。日本の航空保安業務職員を養成する本教育機関ではターミナルレーダーや通信・航法システム、航空路管制など、様々な実習トレーニングを受けることができます。今回研修員が受けたのはローカライザーの訓練機材を用いた維持管理の実技です。ローカライザーから正しい電波が出ているかを点検するだけでも、多くの操作やチェック項目が必要です。しかし参加した研修員は専門知識に富んでおり、研修前にはネパール現地にてプロジェクト専門家から理論研修を受けていたことから、理解が速く、研修は効率よく進行しました。

ローカライザーが空港に設置された場合、実際に航空機を飛ばしてその機能をチェックする必要があります。航空保安大学校で基礎を学んだあとは、中部国際空港の飛行検査センターを訪れ、ローカライザーの運用開始前にどのような検査を実施しているのかを学習しました。

無償資金協力によりネパールに導入されるローカライザーはNEC製の物が予定されています。そこで本研修では東京府中市にあるNEC工場を訪れ、実際に現地に入る機材を見学しました。また、羽田空港の東京空港事務所ではローカライザーの実際の運用・維持管理状況を見学したため、NECの工場見学と相まって、研修員にとっては自国に機材が導入された時のイメージ作りができました。

今回研修を受けた8名は皆、将来ネパールにおけるローカライザーを維持管理する人たちです。最終日の研修員からの発表では、帰国後セミナーを開いて研修で得た知識を共有したいと早速意気込んでいました。

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航空保安大学校での研修の様子

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ローカライザー訓練機材を用いた実技演習の様子

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模型を用いたローカライザーからの電波の説明

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3D教材を用いた研修。普段は目に見えないローカライザーからの電波が表示され、航空機の着陸動作に電波がどのように影響するのか視覚的に学習できる。本機材は技術協力プロジェクトにて既に供与済。

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最終日の集合写真