ニカラグア、チョンタレス保健管区事務所に赴任して

2015年12月4日

平成27年度2次隊、助産師、中村望美

私は小学生の時に見たストリートチルドレンの番組に衝撃をうけ、その頃から国際協力に興味を持ち始めました。また赤ちゃん、子どもが大好きで助産師になり、東京都内の年間2000件近くの分娩を取り扱う病院で4年間働きました。今なら助産師として途上国の人々の手助けができるのではと思い応募し、晴れて青年海外協力隊の一員となることができました。
日本や現地での語学訓練を経て、11月4日にSILAISチョンタレスに着任し、あっという間に1か月が経ちました。まだうまくスペイン語も話せませんが、この1か月、ともに働く医師・看護師らと一緒に、女性や子ども、思春期の若者に関するデータのモニタリングや分析、また会議や研修会の企画・運営を行い、プロジェクトSAMANIの方々と一緒に管轄する市町村を巡回させていただきました。
人々、環境、食物、言語すべてが日本と違うこの場所で過ごす日々は、毎日新しい発見の連続で戸惑いも感じますが、とても充実しています。もちろん保健医療システム、周産期医療の現場も日本とは大きく異なります。この2年間で、高い妊産婦死亡率や乳児死亡率の裏にある間接的な問題に対して、同僚や住民とともに草の根レベルで取り組めるような活動を考えていきたいです。例えばニカラグアに多い若年妊娠の問題に対して、すでにある若者のサークルを通して有効的な活動ができないか、またハイリスクの妊婦や出産直後の母と赤ちゃんが集まるマタニティホームで、何か新しい活動ができないか考えていきたいです。
日本での“当たり前”がニカラグアでは問題になったり、日本で問題になることがニカラグアでは“当たり前”に行われたりしています。ここに住む人々や同僚が何を問題と捉えるのか、また何が問題か一緒に考え、その問題に対し、実現可能な解決策をともに考えていきたいです。プロジェクトSAMANIやほかのボランティアとも協力しながら、焦らず1日1日を大切に、少しでも多くの母と赤ちゃんが安心して過ごせるような環境を作れるよう努力していきたいです。

【画像】中村望美隊員(左端)とチョンタレス保健管区の同僚たち