継続ケアを目指して

2016年9月28日

プロジェクトは開始当初から、継続ケアの中核をなすレファラル・カウンターレファラルシステムの機能向上(レファラル・カウンターレファラル会議)を目指し、レファラルおよびカウンターレファラルの状況をモニタリングし、巡回指導しつつ、実践的なシステム作りに取り組んでいます。

現在、岩手県一関市にある国民健康保険藤沢病院の内科長であり、かつてニカラグアで地域保健活動に8年間携わった経験を持つ医師の高木史江氏が、9月下旬に短期専門家としてプロジェクトへ赴任しました。地域包括医療ケアに関して指導を行い、また、レファラル・カウンターレファラルシステムの強化で必要な作業工程を両保健管区の担当技官へ提言しました。

チョンタレスおよびセラヤ・セントラル保健管区は、この提言を基に、レファラル・カウンターレファラル活動検討会議を開催しました。両保健管区、地域病院、14支所から幹部が参加し、特に一次医療施設から二次医療施設へのレファラルに関して、優先的に取り組む方針を定め、以下の3つの強化事項を決定しました。

1)規定のレファラル用紙を適切に用い、記入ミスに対する改善行動を取る。
2)ESAFCの医療従事者は、医師の診断により、緊急か非緊急かを適切に判断し、レファレル用紙に記入する。
3)各保健管区は、保健サービス課、看護課、統計課、支所から人員を選抜し、レファラル・カウンターレファラル委員会を設置し、より実践的なシステム構築を目指す。

会議の参加者からは、「レファラル・カウンターレファラルは、多くの医療従事者が関わり、多様な課題があがっているが、一つずつ着実に改善に取り組もう」と、建設的な意見が寄せられました。

今後プロジェクトは、両保健管区に設置されるレファラル・カウンターレファラル委員会の会議に参加して、マネージメントや改善手法に関する助言・提言を行います。また、支所レベルおよび保健セクターレベルへ巡回指導を行い、医療従事者が取組む継続ケアのモニタリングや改善指導に引き続き取り組みます。

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アスンシオン地域病院でカウンターレファラル記録を確認する高木専門家(右端)と石原専門家(中央)

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チョンタレスおよびセラヤ・セントラル両保健管区、地域病院、14支所が集まったレファラル・カウンターレファラル会議