家庭地域保健チーム(ESAFC)に対する統合巡回指導

2017年9月22日

2016年8月より、チョンタレス保健管区およびセラヤ・セントラル保健管区のパイロット保健セクターで、母子保健サービスの質の評価と家庭地域保健チーム(ESAFC)活動ガイドに沿ったモニタリングをしながら、保健管区事務所が主導して管轄支所と統合巡回指導を実施してきました。指導の内容が、母子保健やESAFC活動に限らず、保健施設の状態、慢性疾患プログラム、予防接種、コミュニティ診療、子宮頸がんプログラム、医薬消耗品管理、施設整備管理等、保健省が提供しているすべての保健サービスや施設運営管理を対象にしていることから、統合巡回指導と呼んでいます。

統合巡回指導は、パイロット保健セクターで試行し、確立した実施方法で、2017年7月から、全保健セクターを対象に開始されました。この統合巡回指導をさらに実践的な業務とするために、プロジェクトは保健省保健サービス総局長と両保健管区事務所技官と共に、これまでに実施してきた巡回指導の知見を検証し、改善方法を検討しました。その結果、ESAFCに対する統合巡回指導は、支所が主導して実施し、保健管区事務所はこれを側面から支援し、必要に応じて支所に指導をすることを取り決めました。ESAFCの強化だけではなく、支所の指導能力や、管理能力の向上にもつながるからです。

9月19日にチョンタレス保健管区内のエル・アヨテ支所がエル・ホボ保健セクターで施設の状態、統計データーの整理、慢性疾患プログラム、妊産婦管理台帳、ESAFC活動、妊産婦と乳幼児サービスについて統合巡回指導を実施しました。既存のモニタリングツールを使用しながら、見つかった問題点に対し、その場で指導を行い、改善計画を話し合います。改善計画の合意事項は、ESAFCと支所の統合巡回指導用の議事録に記録され、次回の訪問でその達成状況を確認します。これを実施した、エル・アヨテ支所看護長は「統合巡回指導は、ESAFCだけでなく、指導をする支所にとっても有益だと思います。指導する側、される側で自分たちの弱いところ、強いところを発見する機会となり、一緒に問題を分析し、改善するための計画を立てることにより、チーム意識を高め、業務を整理することができると思います。」と語っていました。

この統合巡回指導により、支所や保健管区から保健セクターへ訪問する機会が増え、ESAFCと支所、また、支所と保健管区とのコミュニケーションや活動の調整が改善されつつあります。支所や保健管区では、一度の訪問でいかに効果的な指導ができるか、実践を繰り返し、統合巡回指導の効率化を目指しています。

【画像】

エル・アヨテ支所エル・ホボ保健セクター統合巡回指導の様子

【画像】

アヨテ支所ナワワス保健セクター統合巡回指導の様子