住民の力で「保健の家」を整備

2017年9月27日

プロジェクトは、2016年1月からパイロット保健セクターで、医療チームと、コミュニティネットワークで構成される家庭地域保健チーム(ESAFC)が、住民と共に、質の高い保健活動ができるよう支援してきました。その結果、「ESAFC活動ガイド」が作成されました。2017年1月よりこの「ESAFC活動ガイド」を全保健セクターに導入しました。ヌエバ・ギネア市のラ・ミルパ集落にある、第27保健セクターでも、2017年2月に「ESAFC活動ガイド」を導入しました。この保健セクターは、2016年4月に家庭地域保健モデルの一環である、保健セクター細分化により、新しく設置されました。

第27保健セクターは、医療チームの活動拠点となる「保健の家」があるラ・ミルパ集落とラヘロ・グランデ集落、アグア・カリエンテ集落の3集落を管轄しています。保健セクター設置当初は、コミュニティネットワークのメンバーが各集落に1人いましたが、ESAFCの活動を進めていくと徐々に、各集落のコミュニティネットワークメンバーも増えていきました。また、コミュニティ活動の一環として、医療チームが中心となり、青少年クラブを開始しました。青少年クラブの若者も、コミュニティネットワークメンバーとして、保健セクター会議に参加しています。今では、毎月行われる保健セクター会議に8人から10人ほどのメンバーが集まるようになりました。

ESAFC活動が進むにつれ、コミュニティネットワークは、「保健の家」の整備計画を提案しました。保健の家というのは、小屋を建設したり、一般住居の一室を間借りするなどして、巡回診療の診察所としたり、保健ボランティアが相談にのる場所です。ラ・ミルパ集落の保健の家は、これまで集会所に使われていた小屋の片隅に診療に必要な物品を置いただけのものでした。コミュニティネットワークは、集会所を使いやすい保健の家になるよう、住民にこの改善計画を提示し、彼らの協力を得ることができました。各集落から、整備に必要な建築資材や、労力が提供されました。これによって、患者のプライバシーが守られる診察室や、保健の家の周囲に柵を設置することができました。また、ラ・ミルパ集落は電化されておらず、診療で必要な電気器具の使用や、夜間緊急時の対応ができない状態であったことから、市役所にソーラーパネルの設置を申請し、供与されました。

保健セクター会議では、医療チームの医師と看護師が、コミュニティネットワークと出産が近い妊婦の情報交換をしています。これは、妊婦の安全なお産のため、マタニティホームを利用し、確実に病院や保健センターの出産施設で出産ができるようにするためです。ここの第27保健セクターは新築された保健の家を拠点に、妊婦を把握しマタニティホームに送る活動も活発に継続しており、2017年はこれまでに、100%の妊婦が施設分娩をすることができました。

この保健セクターでは、ESAFC活動ガイドの導入により、コミュニティネットワークを強化することができました。また、計画を立案、実施することを学び、達成感を得ることもできました。今は、保健ポスト建設のため、市役所や関係機関に申請することを計画しています。

【画像】

第27保健セクター、ラ・ミルパ集落の保健の家

【画像】

第27保健セクター、コミュニティネットワークと青少年クラブのメンバー