「CMTインバージョン/Wフェーズ・インバージョン研修」を実施しました。

2017年9月7日

2017年8月30日にニカラグア国土調査院(INETER)において、中米津波警報センター(CATAC)の機能強化に向けた技術移転研修として、「CMTインバージョン/Wフェーズ・インバージョン研修」を実施しました。谷岡短期専門家(北海道大学地震火山研究観測センター教授)が講師となり、INETER地震課10名、GIS地球リスク課4名、スイス工科大学チューリッヒ校1名が参加しました。

5月に行われた「震源メカニズム研修」では座学と実習をとおして震源メカニズム(地震がどのような応力によって引き起こされたか)を地震波初動データによる解析手法で学びました。初動データによる震源メカニズム解析手法は大地震ではメカニズムの推定精度が高くないことから次のステップとして、その精度が高いCMT解析の研修を実施しました。CMTとは、セントロイド・モーメント・テンソル(Centroid Moment Tensor) の略で、観測された地震波形により地震を発生させた断層の中心点(セントロイド)、規模(モーメント・マグニチュード)、及び発震機構(断層の形状と滑り方向)を同時に求める解析法です。Wフェーズは1992年のニカラグア地震で初めて観測された、広帯域地震計で観測される長周期の地震波で、大地震の規模(マグニチュード)を正確に測ることができます。地震波の中では到達時刻がP波(縦波)についで早いので、津波早期警報に有効です。

座学により、CMTとCMTインバージョン、地球の自由振動とノーマルモード、WフェーズとWフェーズ・インバージョンの講義が行われ、またWフェーズ・インバージョンの例としてINETERのアルゲリョ職員がJICA課題別研修「地震学・耐震工学・津波防災」(建築研究所「国際地震工学研修」)の研修中に谷岡専門家の指導の下で解析した中米の4地震が紹介されました。研修後の理解度アンケートでは研修効果への期待が高く、ほぼ全員が業務での活用を期待しています。引き続き、CATACの能力強化に向けて研修を実施していきます。

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谷岡専門家による講義の様子

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講義を聞く受講生

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中米の地震の解析結果の紹介