第3回合同調整委員会を開催しました

2019年9月6日

2019年9月6日にニカラグア国土調査院(以下、INETER)において、プロジェクトの実施機関であるINETER、ニカラグア外務省、在ニカラグア日本大使館、JICA本部地球環境部防災グループ、JICAニカラグア事務所から総勢25名が出席し、第3回合同調整委員会が開催されました。
2016年10月6日に開始した中米津波警報センター(以下、CATAC)プロジェクトは2019年10月5日に終了となります。

本委員会の目的は以下のとおりです。
・プロジェクトの成果、事業完了報告書の確認
・上位目標の指標変更
・プロジェクト終了後の上位目標達成に向けたINETERのアクションプランの合意と事後評価に向けたモニタリング方法の確認

本プロジェクトはCATACの運用開始に向けて、地震津波監視オペレーターの人材育成、津波データベースの構築、リアルタイム津波シミュレーションシステム、潮位観測ネットワークの整備などをとおして、INETERの能力強化を進めてきました。
プロジェクト期間に実施された各活動は着実に成果をあげ、CATACの標準運用手順書(SOP)であるユーザーズガイドが2019年4月に太平洋津波警戒・減災システムのための政府間調整グループ(ICG/PTWS)、カリブ海及び隣接海域における津波・その他の沿岸災害警報システムのための政府間調整グループ(ICG/CARIBE EWS)の枠組みにおいて承認され、2019年8月からCATACの試験運用(津波アドバイザリー情報の発信)を開始しています。

JICA本部調査団が実施した評価においては、本プロジェクトは数多くの成果とともに成功裡に実施されたと評価、また経済協力開発機構(OECD)の開発援助委員会(DAC)評価5項目(妥当性、有効性、効率性、インパクト、持続性)において各項目とも概ね高い評価が与えられました。またニカラグア国内の治安悪化によるプロジェクトの一時中断などを経験しながらも、日本人専門家とプロジェクト実施機関の努力、工夫や適切な運営により、期間内にプロジェクト目標を達成したことが評価されました。そして本プロジェクト終了を見据え、上位目標達成に向けたアクションプラン、その成果を測るための指標について議論が進められ、本委員会では関係者間で合意されたアクションプランが発表されました。アクションプランにはCATACの更なる発展、中米地域全体の津波警報システム強化のための様々な取り組みが盛り込まれています。

本プロジェクトはプロジェクト実施機関であるINETERの積極的な取り組みと努力、また中米各国の関連機関の協力の下で順調に活動を進めることができました。本プロジェクトに関わった全ての関係者に感謝するとともに、CATACの更なる発展を期待しています。
なお、本プロジェクトは中米地域においての地震・津波観測能力の向上を目的としており、「仙台防災枠組」のグローバルターゲットにおける「災害による死者数の削減」「災害被災者数の削減」「早期警戒システムと災害リスク情報へのアクセス向上」に貢献するものです。

地元メディアによる報道

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プロジェクト成果を発表する古川チーフアドバイザー

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プロジェクトの評価確認をする笹岡調査役

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上位目標の指標を発表するタラベラ職員

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アクションプランを発表するストラウチ職員

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合同調整委員会の様子

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会議議事録への署名(写真左から古川チーフアドバイザー、グティエレスINETER長官、井上企画役)