プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)中米津波警報センター能力強化プロジェクト
(英)Project for Strengthening of Capacity of the Central American Tsunami Advisory Center(CATAC)

対象国名

ニカラグア共和国

署名日(実施合意)

2016年6月2日

プロジェクトサイト

ニカラグア共和国マナグア市(人口:1,850,000人、面積:544平方キロメートル)
津波警報対象地域:中米諸国(グアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグア、コスタリカ及びパナマ)

協力期間

2016年10月6日から2019年10月5日

相手国機関名

(和)国土調査院
(英)Nicaraguan Institute of Territorial Studies(INETER)

日本側協力機関名

気象庁、北海道大学

背景

中米の太平洋岸地域(グアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグア、コスタリカ及びパナマ)は、カリブプレート西端に位置し、太平洋側からココスプレートがカリブプレートの下に沈み込んでいることに加え、南米プレート北西端とナスカプレート北東端が接していることもあり、地震が頻発する地域である。さらには太平洋岸ではプレート境界が沿岸部に近接していることから、太平洋沿岸における近傍・隣接地域で津波の発生による被害が危惧されている。近年では1992年ニカラグア近海でマグニチュード7.6の地震で津波が発生し地震・津波により約200名の死者・行方不明者及び経済的損失を、また2012年8月にエルサルバドルでマグニチュード7.3の地震が発生し多大な経済的損失をもたらしている。ニカラグアでは、1992年の津波による被害を受け、国土調査院(Instituto Nicaraguense de Estudios Territoriales)(以下、INETER)地質・地球物理部において地震津波の24時間監視体制が中米で初めて整備された。ニカラグアを含む中米諸国においては、津波観測体制の強化が急務であるが、自国の国民に向けて発信される津波警報については、自国において津波予測を実施する能力が不足しているために、ハワイにある太平洋津波警報センターの警報内容に頼らざるを得ない状況である。そこで、ニカラグアは中米地域の津波警報体制の強化を目的として2009年より中米津波警報センター(以下、CATAC)の開設を国際連合教育科学文化機関/政府間海洋学委員会(以下、UNESCO/IOC)の会合にて提案し、開設に向けた中米諸国及びUNESCO/IOCとの議論が開始された。2014年9月のIOC中米津波会議では、CATACの津波警報発信機能発揮に必要とされる「中米地域地震観測ネットワーク」の設置が中米諸国間で了承され、更に、2015年6月にパリで開催されたUNESCO/IOC総会にてCATACの開設が承認された。一方、UNESCO/IOCによる承認は十分な能力(施設、人材、予算)があるという評価に基づくものではなく、中米津波警報センターをホストすることの承認であり、ニカラグアのINETERを拠点としてCATACが機能するためには、1)中米地域に津波警報を発出するための地震観測・解析能力、津波観測能力の強化、2)中米地域関係機関の人材育成実施体制の構築が急務となっている。

目標

上位目標

CATACより発信される津波アドバイザリー情報が中米諸国の津波警報に活用される。

プロジェクト目標

CATAC津波アドバイザリー情報に必要となる量的津波予測能力が向上する。

成果

1. INETERの、中米各国からの地震波形データを用いた地震パラメーター解析能力が向上する。
2. INETERの、量的津波予測の能力が向上する。
3. INETER及び中米各国関係機関の、津波アドバイザリー情報発表に必要な能力が向上する。
4. INETERに中米各国関係機関に対する人材育成を実施する体制が構築される。

活動

1-1 中米各国からの地震波形データを用いた震源計算研修を行う。
1-2 地震パラメーター解析研修を行う。
1-3 セントロイド・モーメント・テンソル(CMT)解析研修を行う。
1-4 活動1-1、1-2、1-3の成果を監視業務に反映する。

2-1 津波シミュレーション研修を行う。
2-2 量的津波予測のためのデータベース構築研修を行う。
2-3 活動2-1、2-2の成果を監視業務に反映する。

3-1 CATAC標準運用手順(SOP)を作成する。
3-2 CATAC標準運用手順(SOP)公式化を目的としたワークショップを行う。
3-3 津波アドバイザリー情報発表研修を行う。
3-4 津波アドバイザリー情報発表中米6ヶ国合同訓練計画を策定し、計画書を作成する。
3-5 津波アドバイザリー情報発表中米6ヶ国合同訓練(予報機関)を実施する。
3-6 津波アドバイザリー情報発表中米6ヶ国合同包括訓練(予報機関、防災機関<警報発信機関>)を実施する。
3-7 訓練評価と改善点取りまとめのためのワークショップ開催する。
3-8 3-7のワークショップの結果をSOPに反映させる。

4-1 業務分掌を整理し、研修業務を標準化するための課題を明確にする。
4-2 中米諸国関係機関に対する研修計画を策定し、計画書を作成する。
4-3 研修用教材の作成、収集、翻訳を実施する。
4-4 INETERにより、中米諸国の関係機関に対し研修を行う。
4-5 CATAC強化のための各国対応事項の整理を目的としたワークショップを行う。

投入

日本側投入

  1. 専門家派遣

    長期専門家:
    チーフアドバイザー/地震・津波解析
    業務調整/研修計画
    短期専門家:
    津波シミュレーション
    津波予警報
  2. 機材供与
    (1)広帯域地震計
    (2)潮位計
    (3)地震/津波解析ソフトウェア
    (4)ワークステーション(地震/津波解析用)
    (5)モニター(地震/津波観測用)
    (6)非常用連絡装置
    (7)非常用電源装置
    (8)車両(4WD)
    (9)メンテナンスツールキット
  3. 本邦研修/第三国研修

相手国側投入

  1. カウンターパートの配置

    ・プロジェクトダイレクター
    ・プロジェクトコーディネーター
    ・プロジェクトマネージャー
    ・技術担当
    (1)津波警報オペレーション、プロトコル
    (2)地震解析
    (3)地震/津波データ転送
    (4)津波シミュレーション/データベース
  2. プロジェクト用事務室
  3. プロジェクトに必要な予算確保